ECモールのスイーツ・お菓子市場規模は、昨年比104%で横ばい!
【目次】
1. スイーツ・お菓子市場の現状と今後の展望
2. スイーツ・お菓子市場の平均単価
3. スイーツ・お菓子市場のメーカー比較
4. Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングで販売されているスイーツ・お菓子の種類や特徴
5. まとめ
1. スイーツ・お菓子市場の現状と今後の展望
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングの3モールにおいて、2023年4月時点のNint推計データより、2023年1〜3月のスイーツ・お菓子ジャンルは104%で横ばいとなっております。今後の市場規模は、当社のAI分析を踏まえると、上昇傾向との結果となりました。各モールを観察するとAmazonの売上は堅調に拡大しております。その要因はサブジャンルのチョコレートの売上が拡大したことが影響しております。楽天市場の売上は横ばいとなっております。特筆して拡大・縮小したサブジャンルはなく、全体的に横ばいという結果になっております。Yahoo!ショッピングの売上は縮小しております。その要因はAmazonとは対照的にサブジャンルのチョコレートの売上が縮小したことが影響しております。
2. スイーツ・お菓子市場の平均単価
平均単価は1,768円と前年同時期比で115%へと低単価商品の売上が減少したため増加しております。特にメーカーA社の楽天市場の各種チョコレートセットジャンルは、スイーツ・お菓子ジャンル全体の単価上昇230円の内、5円の単価上昇に貢献しており、サブジャンルの単価上昇したことから全体の価格上昇に貢献しています。
その背景にはコロナ対策の規制緩和によって外出の機会が増え、バレンタインデーをはじめとするギフト需要を背景にした商品の売上が伸長したことが貢献したと言えそうです。今後の平均単価は、AI分析を踏まえると、上昇傾向との結果となりました。
3. スイーツ・お菓子市場のメーカー比較
前年同時期に売上シェア1位の、スイスに親会社を持つ高級チョコレートメーカーA社は引き続きシェア1位を維持しましたが、売上は前年同時期比で103%と横ばいとなっております。その要因は楽天市場では好調だったものの、Yahoo!ショッピングでの売上が苦戦したためです。一番売上を拡大したのはベルギーに本社を置くチョコレートメーカーB社で売上は125%へと急速に拡大しております。その要因は3モール全てで安定的に売上を拡大できていたことです。売上シェアは前年同時期の3位から2位に躍進しており、今後の動向に注目です。
4. Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングで販売されているスイーツ・お菓子の種類や特徴
Amazonの直近のランキング(5月12日時点)を見ると、ランキング上位には焼き菓子や洋菓子などがランクインしております。時期的に「母の日」、「プレゼント」、「ギフト」が商品名に入っている商品が多くなってきております。ランキング下位にはスナック菓子がランクインしております。定番の商品も下位になっているので、母の日がせまっているこの時期ならではのランキング情勢かもしれません。
楽天市場の直近のランキングを見ると、ランキング上位には見た目が華やかな洋菓子が多くランクインしております。
Amazonと同じく時期的に「母の日」、「プレゼント」、「ギフト」が商品名に入っている商品が多くなってきておりますが、楽天市場では季節限定を強調している商品が多い傾向が見られます。ランキング下位の商品は、比較的価格が安く、日常的に食べられるような商品が多いです。季節限定ではなく、一年中食べられる商品が多い傾向が見られます。限定品をどう売り抜くかがポイントと言えそうです。
Yahoo!ショッピングの直近のランキングを見ると、ランキング上位に父の日のギフトが入っているのが特徴的です。
他モールと比較して季節のイベントに対して仕掛けるタイミングが早いのかもしれません。それに伴ってランキング下位に母の日関連のギフトが入っている傾向が見られます。このことからもYahoo!ショッピングでは季節のイベントに対して、仕掛けるタイミングが他モールと違い、EC事業者はタイミングの見極めが重要と言えそうです。
5. まとめ
今後のスイーツ・お菓子市場は上昇傾向にあり、Amazonが堅調に拡大しております。平均単価も上昇傾向にあり、外出の機会が増えたことによるギフト需要を背景に上昇しております。メーカー比較では、スイスに親会社を持つ高級チョコレートメーカーA社は引き続きシェア1位を維持していますが、ベルギーに本社を置くチョコレートメーカーB社が売上を急速に拡大し、売上シェアも上昇しています。
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングで販売されているスイーツ・お菓子の種類や特徴を見ると、3モールともギフト用の洋菓子が多く売れている傾向が見られます。Yahoo!ショッピングでは季節のイベントに早くから仕掛ける傾向があり、タイミングの見極めが重要になってきます。今後は、スイーツ・お菓子市場が拡大する中で、モールに合った商品ラインナップやタイミングの見極めがEC事業者に求められると言えます。
作成者
李 京浩(Li Jinghao, Product Div.データサイエンティスト) 加藤 洋平(Kato Yohei, ERP Div.カスタマーサクセスUnit)
編集者
Nint Blog 編集長 加藤 洋平(Kato Yohei, ERP Div.カスタマーサクセスUnit)
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