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ECモールのサプリメント市場規模は、1.05倍で横ばい!2024年4~6月の楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの市場を分析

#市場規模 #EC #マーケティング #ECデータ

はじめに

EC市場は、近年の健康志向の高まりにより、サプリメント商品の需要が増加しています。本記事では、2024年4~6月の期間における楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの3大ECモールの市場動向を分析し、注目のメーカーやショップの動向を詳しく解説します。

注目のトピック3つ

  • サプリメント市場は前年同期比で売上が1.05倍と横ばい傾向
  • 特定のモール・メーカー・ショップの売上が急増
  • ビタミンやミネラルのサプリメントが継続人気

サプリメント市場動向

サプリメント市場全体

2024年4~6月の3大ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)の売上は前年同期比で1.05倍と横ばいで推移しました。販売数量はほぼ横ばいでしたが、平均単価が上昇したことが売上増加の要因です。特に特定のモールの売上増加が市場全体を牽引した一方で、別のモールでは売上と販売数量が減少しています。

3大モール動向

売上TOP5メーカーを1位からA社~E社とし、各モールでのメーカー動向と市場特徴を把握します。
※E社以降のアルファベットのメーカーはTOP5社以外の特定のメーカーを指します。

楽天市場

楽天市場では、B社が1位を維持し、シェア率を0.41ポイント上昇させました。2位はA社で昨年に引き続き2位でしたが、シェア率はB社同様、0.48ポイント上昇しています。B社は3モール合計では2位ですが、楽天市場ではシェアトップのメーカーです。
楽天市場全体では平均単価は堅調に上昇しています。市場平均単価より高い、A社とB社が高価格帯商品の販売を好調に伸ばしたことが影響していると伺えます。

Amazon

Amazonでは、昨年1位のA社が引き続き1位でした。シェア率の変動はほぼなく推移しています。一方2位のB社はシェア率を0.23ポイント下げたため、1位のA社との差がわずかに広がっています。シェア率では、B社、D社の苦戦が伺えます。平均単価が前年同期比で1.05倍に増加しているため、Amazonでは高価格帯商品の販売が伸びたことが考えられます。特にA社とF社が高単価商品の販売で成功しています。

Yahoo!ショッピング

Yahoo!ショッピングでは、A社が昨年に続き1位を維持し、シェア率が0.80ポイント上昇しています。2位のG社はシェア率が0.45ポイント上昇しています。Yahoo!ショッピング全体では平均単価が僅かに上昇しましたが、販売数量は減少しています。これは、コストパフォーマンスの高い商品が人気を集めていることを示しています。1位のA社と2位のG社が高価格帯商品の販売で成功している一方で、販売数量の減少が全体の成長を抑えています。

サプリメント市場競争環境

注目メーカー

該当期間の売上TOP5メーカーを1位からA社・B社・C社・D社・E社とし、「売上前年比」「数量前年比」「シェア率伸長」「平均単価」の項目から、注目のメーカーを選定しました。

A社
売上前年比1.12倍と堅調に成長し、市場シェアも拡大しました。注目する理由は、安定した販売数量の増加とシェア率の上昇です。

B社
売上前年比1.08倍、数量前年比1.06倍と成長を続けています。シェア率も僅かに上昇しました。

注目ショップ

該当期間の売上TOP5ショップを1位からAショップ・Bショップ・Cショップ・Dショップ・Eショップとし、「売上前年比」「数量前年比」「シェア率伸長」「平均単価」の項目から、注目のメーカーを選定しました。


Aショップ
売上前年比1.04倍と堅調な成長を見せています。シェア率は若干減少しましたが、依然として高いシェアを維持しています。

Bショップ
売上前年比1.03倍と増加していますが、シェア率は若干減少しました。

サプリメントジャンルTOP10商品の動向

本年・昨年のTOP10商品については以下の通りです。

2023年・2024年共通の特徴

  • 売れ筋商品の傾向は、変わらず、ビタミンやミネラルのサプリメントが継続して人気。
  • 日本製の高品質商品が多くランクイン。
  • マルチビタミンや特定の栄養素を高濃度で含む商品が多い。

2024年TOP3商品(2024年7月28日時点)

  1. 大豆由来のサプリメントパウチセット
  2. NMN サプリメント 高純度カプセル
  3. マルチビタミン&ミネラル サプリメント

サプリメント市場まとめ

調査結果から、ビタミンやミネラル系サプリメントの需要が引き続き高いことが分かりました。特に特定のモールが市場をリードしています。今後の市場成長のためには、各モールが独自の商品ラインアップの強化や、顧客ニーズに応じたプロモーション戦略を展開することが重要です。

外的環境としては政治的な健康促進政策や、経済的な消費者の健康志向の高まりが市場成長のカギとなると考えられます。具体的には、政府の「健康日本21」プログラムが健康意識を高める一方で、消費者の健康志向の高まりはオーガニックや自然由来の成分に対する需要の増加をもたらしています。

また、薬機法や景表法の規制が厳格化されることで、企業は正確な情報提供と透明性の確保が求められ、市場の信頼性が向上するでしょう。流行の移り変わりが早いジャンルでもあるため、SNSなどでのインフルエンサーの発信内容や、海外でのスーパーフードの情報などをいち早く収集することが重要です。例えば、アメリカで人気の「アシュワガンダ」や「マカ」が日本市場でも注目されつつあり、これらのトレンドを先取りすることで、競合他社に対する優位性を確立できます。

競合他社との競争激化が見られるため、上記のような差別化戦略が必要です。特に、インフルエンサーマーケティングや限定商品キャンペーンなど、消費者の関心を引きつける独自の施策を展開することが求められます。

本調査を通じて、サプリメント市場の成長とその背景を明らかにしました。各ECモールは、今後も消費者ニーズに応じた戦略を展開することで、更なる市場拡大が期待されます。

Nint ECommerceに関して

日本国内のEC市場の約7割を占める3大ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)の売上・販売数量をモール別、ジャンル別、ショップ別、商品別に分析できる画期的なツールです。Nint ECommerceを活用いただくことで、以下のイベント対策を効率的にサポートしています。

活用例

商品在庫(SKU単位)の拡充
 競合価格を見ながら自社の販売価格を設定
 競合のポイント倍率を見ながら自社のポイント倍率を設定
 商品名(商品情報)での差別化
 検索露出(RPPなど)の強化

Nint ECommerceを活用することで、ECビジネスチャンス創出に役立ちます。ご興味のある方は、ぜひ下記リンクよりNint ECommerceの詳細をご確認ください。


備考

前提条件

本調査は、2024年4~6月の期間におけるAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングの3大ECモールを対象としています。扇風機商品を主な分析対象とし、売上、販売数量、平均単価を比較しました。

調査手順

各ECモールの売上、販売数量、平均単価について、前年同期間との比較を行いました。また、TOP5のメーカーとショップについても同様に分析し、市場におけるシェア率の変動も確認しました。

調査・分析に用いたデータ

調査に使用したデータは、Nint ECommerceを用い、各ECモールから抽出した売上、販売数量、平均単価の推計データを使用しました。調査期間は2024年4月から6月までの3ヶ月間で、前年同期と比較することで市場動向を分析しました。

調査時期・データ抽出期間

調査対象時期は2023年4月から6月と2024年4月から6月までです。
データ抽出期間も同期間です。両者にずれがないため、データの一貫性が保たれています。

クレジット

作成者: マーケティングセールスDiv 山本 真大
編集者: マーケティングセールスDiv 村上 咲

株式会社Nint について

Nintグループは「データで世界を自由にする」というミッションのもと、急拡大するEC市場において、誰もが最適なマーケティング施策を可能とするECデータ分析プラットフォームを実現します。中国・日本のEC市場で10年以上にわたり、EC市場動向に関する推計データを独自に蓄積・提供し、中国で約4000社、日本で約1300社のサービス導入実績があります。

株式会社Nint 会社概要

  • 代表者: 吉野順子
  • 所在地: 東京都新宿区西新宿八丁目17番1号 住友不動産新宿グランドタワー37F
  • URL: Nint 公式サイト
  • 設立: 2019年2月
  • 事業内容: ECデータ分析サービスの提供

本レポートに関するお問い合わせ先

  • 株式会社Nint マーケティングセールスディビジョン
  • E-mail: marketing@nint.jp
  • TEL: 03-5331-6318 ※平日10:00~19:00(休祝日除く)