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2024年4~6月のECモールスニーカー市場、1.29倍で急速に拡大中

■本記事のポイント

  • スニーカー市場の売上は前年同期比で1.29倍に増加
  • 楽天市場では、昨年度シェア率の高いメーカーの売上市場に影響。高価格帯商品の存在感が増加- Amazonでは、主力のメーカー3社が前年から大きく売上を伸ばしたことで市場は好調
  • Yahoo!ショッピングでは上位メーカーの構成率が他の2モールと比べ低く、多くのメーカーが展開

アフターコロナを迎え、EC市場では服飾雑貨が好調に推移しています。好調に推移する服飾雑貨から、今回は、靴(スニーカー)ジャンルを徹底分析。2024年4月~6月のEC市場におけるスニーカー市場の動向を、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの3大ECモールから分析し、注目のメーカーやショップの動向を詳しく解説します。

スニーカー市場動向

3大ECモールのスニーカー市場

2024年4月から6月のスニーカー市場は前年同期比で1.29倍に拡大しました。販売数量は1.28倍に増加し、平均単価はほぼ横ばいでわずかに増加しました。売上同期比が販売数量同期比より高い点、平均単価の微増の点から市場では、高単価商品の販売が増加したと思われます。

次に、3モールそれぞれのスニーカー市場の動向について確認します。

楽天市場
楽天市場では、シェア率の高いメーカーの売上減少が市場全体の売上に響きましたが、高価格帯商品の構成比が増加したことで、市場の平均単価を上昇させました。楽天市場では、高価格帯商品の存在感が増しています。

Amazon
2024年のAmazonのスニーカー市場は、高単価商品を扱う複数メーカーが、市場全体の売上を押し上げ、平均単価の上昇に寄与しています。結果、売上と販売数量の両方で前年を上回る成長をしています。主力のメーカー3社が前年から大きく売上を伸ばしたことで市場は好調です。

Yahoo!ショッピング
Yahoo!ショッピングでは、高単価商品を扱う複数のメーカーが売上と平均単価の上昇に大きく寄与しました。販売数量の増加も複数メーカーによるもので、市場全体として顕著な成長をしています。上位メーカーの構成率が他の2モールと比べ低く、Yahoo!ショッピングでは多くのメーカーが展開しています。

スニーカー市場競合動向

メーカー動向

3大ECモールにおける上位5メーカーの売上市場シェア率は、34.14%で推移。昨年同時期に比べ増加傾向となりました。本年売上1位をA社、2位をB社、3位をC社、4位をD社、5位をE社とし、その動向を確認すると注目はA社です。A社は、売上前年比1.39倍と大幅な増加を記録しており、市場シェア率も1.30%ポイント増加しました。これは高価格帯商品を取り扱い、その販売数量が増加したことが大きな要因です。また、平均単価も前年より1.08倍と微増しております。

ショップ動向

3大ECモールにおける上位5ショップの売上市場シェア率は、48.67%で推移。昨年同時期に比べ増加傾向となりました。本年売上1位をAショップ、2位をBショップ、3位をCショップ、4位をDショップ、5位をEショップとし、その動向を確認すると注目はAショップです。
Aショップは、売上前年比1.46倍と大幅な増加を記録しており、市場シェア率も4.83%ポイント増加しました。これは、販売数量が1.34倍に増加したことが大きな要因です。また、平均単価は前年より1.09倍と増加しており、高価格帯商品を多く取り扱っているため、Aショップの売上を押し上げています。

スニーカー市場商品動向

①昨年度・本年度TOP50からみるスニーカー市場動向

3大ECモールにおける、2023年と2024年のTOP50商品について、市場におけるシェア率構成比、各年の商品の特徴を調査したところ、売上上位TOP50商品で占めるスニーカー市場のシェア率は、昨年度に比べ、増加しました。これは売上が上位商品に集中していることの現われです。

<2023年の特徴>
・特定メーカーのスニーカーが多くランクインしている。
・定番モデル(現行モデルおよび旧モデル)が人気である。

<2024年の特徴>
・引き続き複数の特定メーカーのスニーカーが多くランクインしているが、特に現行モデルの割合が増えている。
・B社のランニングシューズの新モデルも人気。
・売上TOP50商品の市場におけるシェア率が上昇している

<2023年・2024年共通の特徴>
・A社のスニーカーがトップランクに多く含まれている。
・B社のランニングシューズが引き続き人気。

②2024年4月~6月スニーカー市場売れ筋TOP3

2024年4月~6月の3大ECモールのスニーカー市場で、売上TOP3商品(2024年8月5日現在)は以下の通りです。(ショップSKU単位)

1位:A社 スニーカー モデルA 現行モデル
2位:A社 スニーカー モデルB 現行モデル
3位:A社 スニーカー モデルC 現行モデル

スニーカー市場のまとめと今後の展望

今回の調査結果から、特定のモールやメーカーが全体のスニーカー市場で強い成長を見せていることが明らかになりました。特に、スニーカー市場は2023年の5月以降、コロナの5類移行を契機に外出のハードルが下がったことにより好調に推移しており、この勢いは現在も続いています。市場の成長はEC化率の高まりに後押しされ、今後も拡大が期待されます。

しかし、好調に推移するスニーカー市場にも影響を与える要素がいくつか見受けられます。世界ではEUでエコデザイン規制の改正案が合意され、売れ残りの服や靴の廃棄が今後禁止されるなど、サステナビリティに対する動きが強まっています。この動きは世界各国へ影響を与える可能性が高く、日本でも靴の販売・購入に関する法整備が進む可能性があります。

これらの規制は、販売数量に影響を与える可能性があり、今後の動向を注視する必要があります。企業は国内市場のみならず、世界情勢の変化にも敏感に対応する必要があります。
今回の分析を通じて、各ECモールのスニーカー市場における動向と主要メーカーのシェア変動が明らかになりました。今後も継続的な市場分析を行い、消費者の需要に応じた戦略を立てることが重要です。

作成者: マーケティングセールスDiv アナリスト 山本 真大(Masahiro Yamamoto)
編集者: マーケティングセールスDiv エディター 村上 咲(Saki Murakami)

Nint ECommerceに関して

日本国内のEC市場の約7割を占める3大ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)の売上・販売数量をモール別、ジャンル別、ショップ別、商品別に分析できる画期的なツールです。Nint ECommerceを活用いただくことで、以下のイベント対策を効率的にサポートしています。

活用例

商品在庫(SKU単位)の拡充
 競合価格を見ながら自社の販売価格を設定
 競合のポイント倍率を見ながら自社のポイント倍率を設定
 商品名(商品情報)での差別化
 検索露出(RPPなど)の強化

Nint ECommerceを活用することで、ECビジネスチャンス創出に役立ちます。ご興味のある方は、ぜひ下記リンクよりNint ECommerceの詳細をご確認ください。

■調査概要・免責事項
・本調査は、Nint ECommerceを用い、国内の3大ECモールである楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの帽子ジャンルを対象として、EC市場の帽子市場を調査しました。

・レポートを利用することにより生じたいかなるトラブル、損失、損害等について、当社は一切の責任を負いません。

調査期間
・2024年4月~2024年6月
・2023年4月~2023年6月
(※本稿における Nint 推計データは 2024年7⽉時点のものを使⽤)

■調査機関(調査主体)
株式会社Nint

■調査対象
Nint推計データ(期間:2024年4月~2024年6月)
Nint推計データは、AIやクローリングなどの技術により⽇本国内の3⼤ECモールで販売される商品の売上⾦額・販売数量を⾼精度に推計したデータに、サイト内でのプロモーションデータ等を加えた、EC市場の総合的な分析を可能にするビッグデータです。

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【出典:「2024年4~6月のECモールスニーカー市場、1.29倍で急速に拡大中」(2024年8月6日公開)】
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