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楽天モール出店者のための楽天スーパーSALE活用術

#マーケティング #販促ノウハウ #ECモール運営ノウハウ #ECデータ

Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのECモールでは、各モール特有のセールイベントを実施しています。消費者にとっても「お得」に商品が購入できるセールイベントの魅力は大きく、セール時には売上が2倍・3倍となるショップも少なくありません。

今回は、数多くあるモールセールの中でも、楽天市場の『楽天スーパーSALE』に注目した情報をお届けします。

本記事は、楽天市場へ出店しているショップ様・メーカー様向けの内容として書いておりますが、情報収集としてもお役立てできるよう務めています。最後まで一読していただけたら幸いです。では、楽天スーパーSALEの特徴とセール時にショップ様・メーカー様が注意すべき点を見ていきましょう。

消費者の意識も高い!楽天スーパーSALE

楽天市場で年間開催されるセールの中で、売上の核とも言えるのがこの楽天スーパーSALEです。楽天スーパーSALEは、毎年3月・6月・9月・12月に開催されることが多い大規模なセールイベントです。通常価格の半額以下で商品が購入できる半額商品が登場したり、複数のショップで商品購入することでポイントが増える「ショップ買い回り」などの特典が特徴です。

Google Trendsの人気度推移を確認しても、セール開催の週で人気度が急上昇していることが分かります。なお、スーパーSALEとスーパーセールでは、検索されやすいワードは「スーパーセール」のようです。

Google Trends「楽天スーパーSALE」

図1:Google Trends「楽天スーパーSALE」「楽天スーパーセール」ワードの人気度推移

2021~2023年の期間で確認したところ、毎年9月の検索が高い傾向が見られます。2021・2022年では9・12月の人気度が上昇する一方、2023年では3・6・9・12月の人気度に大きな差が見られないという特徴があります。

楽天スーパーSALEで意識すること

注目度の高まりが顕著に分かる楽天スーパーSALEですが、セール参加にあたり、意識したい点をいくつか挙げていきます。

季節性

各ショップでどのようにして商品を打ち出そうか検討しているかと思いますが、意識していただきたいポイントとして季節性があります。自社の取り扱う商品ジャンルがセール時期に「需要時期」であるかは目玉商品の打ち出しに際して重要な要素の一つです。

一例として、季節家電の一つである「加湿器」を挙げます。家電ジャンルに含まれる「加湿器」は3月・6月・9月・12月のどのタイミングで展開するとセールの反響を最も獲得することができるのでしょうか?

弊社保有のNint ECommerceのデータから、楽天市場における「季節・空調家電」(加湿器ジャンルが含まれる)の売上推移を確認することができます。

図2をみると、季節・空調家電は「12月」「6月」の展開が適しているようです。季節・空調家電には扇風機などの製品も含まれるため、「加湿器」のニーズと季節性を考えると、「12月」での展開に適していると考えてよいでしょう。このように、季節性の有無に応じてセール時の打ち出し時期を検討する必要があります。

多くのジャンル・商品を扱う場合は特に、季節性を考慮し、より有効な商品へ広告やポイントなどの販促費用をかけていくことがセール成功の秘訣となります。どの時期に需要が高まるか、季節性があるかの確認は、セールへの参入アイテム選定に大切な情報です。

季節・空調家電、生活家電売上推移

図2:季節・空調家電、生活家電売上推移

季節・空調家電は「6月」「12月」、生活家電は「3月」「9月」が中心であることが判断できます。

品揃え/価格帯

季節性を抑え、需要期に向けて準備をした後は、商品の品揃えが重要です。特に楽天スーパーSALEなどの多くのユーザーが集まるセールイベント時には「登録するアイテム数」と「自社商品の売れ筋リスト」を元に、市場での売れ筋商品との「スペック」「価格」を確認し、綿密な戦略を練る必要があります。「登録するアイテム数」はリアル店舗同様、「選定すべき」でしょう。

オンラインでは、リアル店舗と異なり「棚」の制限がないため、ついついアイテム数を無尽蔵に増やしたくなりますが、多すぎる品揃えは製品・在庫管理を複雑にします。仕入れに伴う「最低ロット数制限」や商品を取り置きする「在庫スペース」に大量の商品が置かれると、スペースを圧迫するだけでなく、売れ筋商品の商品回転数の低下(欠品・出荷遅延)や不良・不動在庫を抱えるリスクも増加します。

そのため、自社の売れ筋商品をリスト化し、「売上と利益」もしくは「売上と販売数」より「最適なアイテム数」と「カット商品」を選定することが求められます。売れ筋商品を増やすことで、商品の回転が早まり、結果として在庫圧縮へも繋がります。

Nint ECommerceでは各モールの商品の売上ランクを遡って確認することができます。前回、前々回の楽天スーパーSALEではどのような商品がどのくらいの価格で売れたのかという情報はセールイベント攻略に向けた貴重な情報となります。

図3:売れ筋商品ランキングイメージ

該当期間を設定し、人気商品を表示させることで、売れ筋商品の「価格」「販売量」「レビュー数」「評価」を確認することが可能です。購買理由にレビュー数や、評価など、「口コミ」を理由とされる消費者も多くいます。レビュー数の多い商品や、評価の高い商品の競合調査を行うことで、自社の販売・製造する製品との違い、消費者が重要視している点などを確認することで、「RPP広告へのヒント」や「製品訴求の方法」、「製品開発のヒント」へと繋がります。ランキングから、自社が販売・製造する価格帯で売れ筋商品のスペックを確認し、今後の開発・仕入れに活用することができます。また、レビュー数・評価からレビューと評価の高い製品を、品揃えとして検討することなどが実施できます。

在庫管理(欠品対策)

せっかく売れる商品を仕入れても、「売上」にならなければ仕方がありません。販売数量以上に商品を仕入れてしまうと、どんなに売れ筋商品でも「在庫過多」の状況が生まれます。「在庫過多」の状況は、商品スペースの圧迫や、他の商品の仕入れへ影響するため、最終的に見切り価格での「在庫処分」が発生します。どんなに売れ筋商品でも「売れない・売り切れない量の商品」を停滞させることは、在庫スペースの圧迫や見切り価格での販売に繋がり、悪循環となります。

意識する点は、「回転率」と「ロット」です。Nint ECommerceでは特定ジャンルにおける、直近30日の売上上位リストを確認することができます。(図3)こちらのデータでは、月間の商品の販売数量とショップ名を確認できます。自社ショップと該当ショップの売上比率を加味し、商品の販売数量を試算することで、新規仕入れであっても在庫リスクを軽減することが可能です。季節性が少ない製品の場合は、直近30日、14日、7日での商品売上を確認することで、自社に置き換えた際の回転率の想定を行うことができます。

セール時の在庫管理は商品選定・販促と同様に重要な項目です。商品ページに誘導した消費者を、欠品によって他ショップへの流出させないようにしっかりと対策を行っていきましょう。

特定ジャンルにおける、直近30日の売上上位

図4:特定ジャンルにおける、直近30日の売上上位リスト

販促(自社+”モール”)

楽天スーパーSALE対策として最後に紹介したいのが販促です。セール時に商品をどう売るか。消費者が集まるイベントであるが故に重要な項目です。

セール時には、「ポイント」と「値引き」2つの方法を上手に使い分ける必要があります。

図5はNint ECommerceにて抽出した、あるジャンルの上位5ショップの日別売上推移です。日別の期間は2024年3月に実施された「楽天スーパーSALE」期間です。

図5:楽天スーパーSALE期間中の特定ジャンル上位5ショップ売上推移

図5を見ると、ショップ毎に差はあるものの、3月5日と3月10日に売上が大きく上昇していることが分かります。これは、モール施策の「5と0」の日には、楽天カード所有者に対し、ポイント付与率が上昇するため、消費者はこの日を狙って購入する傾向が高いと推察できます。

平日では売上が拮抗するショップ群が、「5と0」の日で明暗が別れたことも図5より読み取ることができます。この差が「販促」、特に販促エントリー後の商品改名として影響します。

図6:売上好調ショップの3月10日改名履歴

セールの販促として「ポイント」と「値引き」を行った場合、忘れてはいけないのが商品名称の変更です。特定ジャンルにおいて、売上好調ショップは、モール施策のタイミングに合わせて商品名称の変更を行っていることも少なくありません。最後の一押しとして、モール施策の日に応じて、集客力を上げる「商品名称」の変更を行うことも有効です。

まとめ

今回は、楽天スーパーSALEの対策として重要な項目をご紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか。

「季節性」「品揃え」「在庫」「販促」の大きな概要からご紹介させていただきましたが、そのほかにもセール時に気を付けたいポイントとして、ページ構成、モール販促へのエントリーなど数多くの施策が存在します。

ぜひ出来るところから、自社に合った方法で賢くモールイベントを活用していただければと思います。

今回ご説明で調査・使用したツールは、「Nint ECommerce」を使い調査致しました。このツールは、日本EC市場で約68%の売上を占める「Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング」の推計売上を可視化して見ることができる画期的なツールです。ショップ SKU単位での売上推計データは、上記のようにビジネスチャンス創出に役立ちます。ご興味のある方はぜひ、下記リンクよりNint ECommerceを使った無料診断を実施しております。現状把握にお役立てください。

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現在、該当モール内で出店中のショップ様は無料で分析を行っていますので、お気軽にお問い合わせください。

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