楽天市場お買い物マラソン攻略ポイント
ECモールで成功の鍵として、モール内のイベントを賢く活用することが大切です。中でも、「お買い物マラソン」は楽天市場内で毎月開催されるイベントです。本記事が攻略のヒントになれば幸いです。今回は、「楽天市場お買い物マラソン」について紹介します。
本記事は、EC市場へ出店しているショップ様・メーカー様に向けた内容ですが、情報収集としてもお役立ていただけます。ぜひ最後まで一読いただければ幸いです。
楽天市場お買い物マラソンとは
前段でもお話しましたが、「お買い物マラソン」は楽天市場内で実施されているイベントです。イベント期間中、店舗で1,000円以上のお会計を行い買い回りを行うと、買い回りの店舗数に応じてポイント倍数が増えていきます。
Google TrendsにてGoogle内の検索数推移を確認すると、「お買い物マラソン」やモール名を含むキーワードの検索数が開催のたびに上昇していることがわかります。それだけ注目されるイベントといえるでしょう。
図1:Google Trends「お買い物マラソン」ワードの人気度推移
「お買い物マラソン」では、複数店舗を買いまわることで、もらえるポイントが大きく増加するため、ユーザーにとっては新たな店舗の開拓や、意外な掘り出し物を見つける機会となっています。
楽天市場お買い物マラソン攻略のポイント
需要時期の把握
お買い物マラソンは毎月行われるイベントであるため、競合状況を確認している店舗様も多いかと思います。しかしながら、扇風機や暖房器具、チョコレートなど、商品によって需要時期が大きく変わる場合があります。耐久消費財によっても需要時期(商品サイクル)が変わります。一度、取り扱い商品の季節性や商品サイクルを考慮することが必要です。
商品サイクルは季節や耐久、消費商材などで異なり、1週間・1カ月・3カ月・半年・1年など、需要曲線が異なります。消費者ニーズの把握は販売実績に直結するため、自社取扱商品の「EC市場」における需要曲線を知ることがポイントです。
弊社の「Nint ECommerce」では、ジャンルごとの売上推移を確認できます。図2はあるジャンルの2022年1月からの売上推移を抽出しました。
図2:特定ジャンルにおける、売上推移
この特定ジャンルにおいては、赤色の線のジャンルは「6月」「12月」、緑色の線のジャンルは「9月」「3月」に展開をするのが有効である可能性があります。
季節性のある商品については、前回や前々回の繁忙期のデータを参考に仕入れを行うとよいでしょう。
顧客獲得の戦略
複数のショップを買いまわる「お買い物マラソン」ですが、ショップとして新規顧客を獲得するためには効果的な販促戦略が必要です。
特価商品を用意するだけでなく、クーポンの配布、ポイントの追加付与、広告出稿など、多くの販促方法が考えられます。「金額」「クーポン」「ポイント」「広告」などの手段の中で、お買い物マラソンの期間中に「いつ」「どのように」販促活動を行うかが重要です。
「Nint ECommerce」には、オプションでショップの1日売上を確認できる、ショップ分析機能があります。競合ショップの30日分の日ごとの売上を確認することが可能です。お買い物マラソンの期間中、競合ショップがどのような戦略を取っているか観測してみましょう。
図3:お買い物マラソン開催期間における、あるジャンルの上位5ショップ売上推移
図3は2024年4月のあるジャンルにおける上位ショップ5ショップの日別売上推移です。お買い物マラソン期間は赤枠になります。
観測結果によると、「5日」「15日」が売上の山となる傾向が見られます。最初のお買い物マラソンには「5」の日も含まれることから、「お買い物マラソンの山」は毎回「5」か「0」の日であると予想されます。ポイント付与率が上昇する「5」か「0」の日に、商品を購入する消費者が多いことが確認できます。
一方で、同じ「5の日」でも、上位5ショップの中で売上差が見られます。これがおそらく販促の差であると予測されます。
次に、「緑色」のショップ(ショップB)と「赤色」のショップ(ショップA)を比較し、「販促比較」を行っていきます。※販促比較機能は一部モールのショップ分析のみ使用可能です。
図4:ショップA・ショップB 売上 販促比較
比較すると、「商品広告」が売上と連動している可能性があります。また、「商品名変更」「ポイント変更」が売上に影響している可能性も考えられます。
もしショップAがBと同額の売上になった場合、販促の差はどのように見えるのでしょうか。ショップAの売上をショップBと同額とし、増額させた比率分を各販促に掛けてシミュレーションを行いました。
図5:売上同額時の販促量の違い(シミュレーション)
結果、ショップAが現在の販促比率でショップB並みの売上を作った場合、「商品広告数」や「商品名変更数」「ポイント変更数」で差が出ることがわかりました。特に「商品名変更数」が売上差に対して影響している可能性が考えられます。
次に、「商品名変更数」に注目してみましょう。図6は「5の付く日」である4月5日のショップBの「商品名変更数」の結果です。
図6:売上好調ショップBの4月5日の商品名称変更履歴
売上好調なショップBは、モール施策のタイミングに合わせて商品名称の変更を行っていることがわかります。
今回の一例として、販促活動の傾向について考察しましたが、ジャンルや取り扱い商材によって有効な活動は異なります。「商品名変更調査」自体は「Nint ECommerce」の標準サービスですが、「ショップ分析機能」と組み合わせるとこのような調査も可能です。
在庫管理(欠品対策)
売上と同じくらい重要なのが在庫管理です。商品ページを閲覧してもらっても、商品が「欠品」していては販売のチャンスを逃すことになります。また、注文が受けられても在庫がなければ消費者を待たせることになります。他のショップで在庫が先に入った場合、最悪キャンセルとなり得ます。
購入基準は消費者によって様々ですが、「在庫がある※すぐにくる」ことは商品の選択において重要な要因の一つです。
一方で、在庫過多は保管場所の圧迫や処分販売を招きかねません。「回転率」と「在庫」。言うは易く行うは難しです。データを用いた方法と勘を用いた方法で在庫管理を行うよりも、データを用いた方が効果的ではありませんか?
例えば、図7のように自社が扱う特定ジャンルにおいて、直近の売上を把握した場合どうでしょうか。このリストにはショップ名の情報も記載されています。ショップ名、商品名、価格から、自社ショップならと試算を行い、データに基づいた判断で在庫管理が可能となります。
図7:特定ジャンルにおける直近30日の売上上位リスト
7日・14日・30日の推計販売数量がわかるため、ひと月分の概ねの回転数が判断できます。直近で実施したお買い物マラソンの実績も含まれているため、仕入れの参考になります。
まとめ
「お買い物マラソン」に関して、商品選定方法や在庫対策、販促施策について触れさせていただきましたがいかがだったでしょうか。
もちろん、自社ページの構成やポイント倍率、RPP広告量など、他の要素もありますが、商品を見極め、数量を適量に保ち、費用を抑えながら施策を打つという観点から、今回の内容を参考にしていただければと思います。
今回ご説明で調査・使用したツールは、「Nint ECommerce」を使用しました。このツールは、日本EC市場で約68%の売上を占める「Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング」の推計売上を可視化できる画期的なツールです。
ショップSKU単位での売上推計データは、上記のようにビジネスチャンス創出に役立ちます。ご興味のある方は、下記リンクより「Nint ECommerce」を使った無料診断を実施しております。現状把握にお役立てください。
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現在、該当モール内で出店中のショップ様は無料で分析を行っていますので、お気軽にお問い合わせください。