Nint式 EC売上創出術
今回は、データ分析による意思決定がECモールでのショップ運用に重要であることを、Nint式売上方程式の考えを用い、ご紹介します。ECショップの売上を上げるためのヒントとしてご活用ください。
実際のショップ運営では、ついついモールが発表する商品ランキングに注目しがちですが、それだけでは情報が足りないと感じたことはありませんか? データに基づく分析が売上創出にいかに重要であるかということをあらためて感じていただけましたら幸いです。
インターネットが普及している昨今、「EC 売上アップ」などで検索すると多くの売上方程式を見かけます。共通認識として、表現方法は異なりますが多くの場合、以下の考え方で売上の方程式は成り立っています。
1:ECにおける売上算出式
売上 = 客数 × 転換率 × 客単価
上記に加え、Nint式売上方程式では売上を構成する要素として「品揃え」を追加することを提言しています。
図1:Nint式売上方程式
2:Nint式売上算出式
Nint式売上方程式では、EC市場における売上の構成要素を、「品揃え」「閲覧数」「転換率」「客単価」に分けています。それぞれの項目の詳細を説明します。
①品揃え
自社商品の取り扱い数に関しての指標です。既存の商品や新規商品がありますが、新規商品の取り扱いを拡大することで、売上を上げる可能性があります。一例として、消費財と耐久財の組み合わせ(ヒゲ剃りと刃)や、隣接する商材(バリカン、脱毛器)への拡大などが考えられます。
②閲覧数(客数)
内部トラフィックと外部トラフィックの対策を行うことで、商品ページの閲覧数を増加させ、売上を上げる可能性があります。特に、検索結果ページの対策や広告などの各種施策が考えられます。
③転換率
商品ページに来訪した顧客に、高い確率で購入いただく仕掛けをすることで売上が上がる可能性があります。特に、カタログ対策やレビュー対策に加え、新しい販売方法への対応、在庫確保によるリードタイムの短縮化、プライシングやポイントやクーポンといった実勢価格を下げるような施策が考えられます。
④客単価
商品単価を上げることができれば、売上が上がる可能性があります。消耗品のまとめ買いや、耐久財と消耗品のセットといった組み合わせの提案、高価格帯へのアップセルを誘導するといった対策が考えられます。
EC市場における売上対策の多くは2、3へ集中しており、2、3の上昇は直接売上に結びつくため、対策を行うことは非常に重要です。一方で、見直されにくいのが1の要素であり、モールの売上ランキングのみで判断すると、思わぬ落とし穴にハマることも考えられます。
3:品揃えの重要性
人気ランキングの商品を積極的に品揃えしたとして、なぜ思わぬ落とし穴にハマるのでしょうか。それには、売上を構成する要素が関わってきます。
最もシンプルな計算式として、売上は「単価」×「販売量」に分解できますが、問題は、「販売量」を把握することが難しいことです。
一例を以下に挙げてみます。
図2:ショップA~C仕入・月末在庫数
図2は「月間販売個数 5,000 個」とした商品AをショップA~Cで販売したシミュレーションです。各ショップの販売力は同様で、商品はショップA~Cいずれでも 5,000 個販売されるとします。
ショップAは月間仕入を「500 個」と予想し、結果「4,500 個」の欠品が発生しました。
ショップBは月間仕入を「20,000 個」と予想し、結果「15,000 個」が在庫で残りました。
ショップCは月間仕入を「5,500 個」と予想し、結果「500 個」が在庫になりました。
どのショップも一番人気の売れ筋商品をランキングから確認、新規商品として販売しました。このときに、商品Aの販売データがランキングと同時にあれば、ショップAは欠品を最小限に、ショップBは過剰在庫を最小限に、ショップCはより細かな在庫管理が出来ていたかもしれません。
このような商品が 5 品、10 品と増えたらどうでしょうか?
品揃えの重要性と、「データ」確認の重要性が見えてくると思います。
ショップA~Cは新しい取り組みとして、新規商品を増やしました。これは、新たな売上要素となり得る一方で、在庫リスク・販売量の見立てという観点でのアプローチが重要だったと考えられます。これらの点からも、「品揃え」は「閲覧数(客数)」や「転換率」に勝るとも劣らない重要な売上観点であると言えるでしょう。
4:売れ筋商品の販売量の見立てと品揃えの考え方
売れ筋商品が自社ショップでどのくらい売れるのか、その販売量の見立てをどのように落とし込めば良いでしょう。
「Nint ECommerce」では、モール内の該当商品を販売したショップの販売数の推計データを確認することができます。
確認方法は、2通りあります。一つ目は「年月」を指定し、該当月の売上を確認する方法。二つ目は30日・14日・7日の直近売上を確認する方法です。
用途により、前年比での確認では「年月指定」でのランキング(図4)、直近動向(セール実績確認など)では30日・14日・7日の売上が分かるランキング(図3)が便利です。
図3:売れ筋商品ランキングイメージ(直近売上確認)
図4:月別人気商品一覧(年度別指定)
発注の指標として見るのは、該当商品の売上個数です。同一商品を仕入れる際は、「自社ショップ」と「該当ショップ」の売上比率を加味した上で、適正な数量を試算することで、「在庫・欠品リスク」を軽減することが可能です。
5:まとめ
今回は、売上アップの方法として、多くの方が提唱している「閲覧数(客数)」「転換率」「客単価」以外にも、「品揃え」が重要であるという点をご紹介いたしました。品揃えは、少ないと売上創出の機会損失に繋がります。一方で、欠品や機会損失のみを追い求めると、「過剰発注・過剰在庫」となるリスクをはらみます。Nint ECommerceは、ECモールの推計売上・推計販売量を確認することができますので、仕入れリスクを軽減させ、利益を確保することをサポートします。
Nint ECommerceを活用し、賢く仕入れ、売上アップへとつなげましょう。
今回ご説明で調査・使用したツールは、「Nint ECommerce」を使い調査いたしました。このツールは、日本EC市場で約 68 %の売上を占める、「Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング」の推計売上を可視化して見ることができる画期的なツールです。ショップSKU単位での売上推計データは、上記のようにビジネスチャンス創出に役立ちます。ご興味のある方は是非、下記リンクよりNint ECommerceを使った無料診断を実施しております。
現状把握にお役立てください。無料トライアルも実施しておりますので、是非一度体験してみてください。
現在、該当モール内で出店中のショップ様は無料で分析を行っていますので、お気軽にお問い合わせください。