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2024年4~6月のECモール帽子市場、前年同期比1.06倍と堅調な成長

本記事のポイント

  •  帽子市場の売上は前年同期比で1.06倍と堅調に成長
  • 楽天市場では1位メーカーに変動はないものの、一部メーカーはシェア率が減少
  • AmazonではTOP5メーカーの2社の高単価商品の売上が好調平均単価を上昇させた
  • Yahoo!ショッピングでは高単価商品を扱う2社が好調に推移

日差しの強い日が多く、暑い日が続きます。日差し対策の一つの選択肢として、帽子があります。そこで今回は、2024年4月~6月のEC市場における帽子市場の動向を、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの3大ECモールから分析し、注目のメーカーやショップの動向を詳しく解説します。

帽子市場3大ECモールの動向

2024年4月から6月の帽子市場全体の売上は前年同期比で1.06倍、販売数量は1.03倍増加しました。平均単価は前年の3,001円から3,062円と上昇しました。このデータから、高単価商品の売上構成比が増加したことが分かります。

3大ECモールそれぞれの帽子市場動向

次に3モールそれぞれの帽子市場の動向について確認します。
※ここであげるメーカー各社は3モール内で共通です。

楽天市場

楽天市場では、シェア率の高いメーカーの売上減少が市場全体の売上に響きましたが、高価格帯商品の構成比が増加したことで、市場の平均単価を上昇させました。楽天市場では、高価格帯商品の存在感が増しています。

Amazon

Amazonの平均単価は堅調に上昇しています。2024年のAmazon帽子市場は、高単価商品を扱う複数メーカーが市場全体の売上を押し上げ、平均単価の上昇に寄与しています。これにより、売上と販売数量の両方で前年を上回る成長をしています。

Yahoo!ショッピング

Yahoo!ショッピングでは、複数の高単価商品を扱うメーカーが売上と平均単価の上昇に大きく寄与しました。販売数量の増加も複数メーカーによるもので、市場全体として顕著な成長をしています。

帽子市場競合動向

メーカー動向

3大ECモールにおける上位5メーカーの売上市場シェア率は、28.86%で推移。昨年同時期に比べ増加傾向となりました。本年売上1位をA社、2位をB社、3位をC社、4位をD社、5位をE社とし、その動向を確認すると注目はA社です。A社は、売上前年比1.24倍と大幅な増加を記録しており、市場シェア率も2.02%ポイント増加しました。これは高価格帯商品を取り扱い、その販売数量が増加したことが大きな要因です。また、平均単価も前年より1.01倍と微増しており、価格帯の維持に成功しています。

ショップ動向

3大ECモールにおける上位5ショップの売上市場シェア率は、19.31%で推移。昨年同時期に比べ減少傾向となりました。本年売上1位をAショップ、2位をBショップ、3位をCショップ、4位をDショップ、5位をEショップとし、その動向を確認すると注目はBショップです。Bショップは、売上前年比1.42倍と大幅な増加を記録しており、市場シェア率も1.14%ポイント増加しました。これは、販売数量が1.46倍に増加したことが大きな要因です。また、平均単価は前年より0.98倍と微減していますが、高価格帯商品を多く取り扱っているため、Bショップの売上全体を押し上げています。

帽子市場商品動向

①昨年度・本年度TOP50からみる帽子市場動向

3大ECモールにおける、2023年と2024年のTOP50商品について、市場におけるシェア率構成比、各年の商品の特徴を調査したところ、売上上位TOP50商品で占める帽子市場のシェア率は、昨年度に比べ、減少しました。
これは上位50品に集中していた売上が、下位商品にも広がったことを示唆しています。

<2023年の特徴>
・商品単品で市場シェア率が高い商品が複数みられる(高シェア率の商品が多い)
・完全遮光・UVカット商品が多数
・つば広デザインや大きいサイズの商品が多い

<2024年の特徴>
・単品で高いシェア率を占める商品が減少(シェア率の分散)
・引き続き完全遮光・UVカット商品が多数
・折りたたみ可能な帽子の増加

<2023年・2024年共通の特徴>
・完全遮光・UVカット
・つば広・大きいサイズ
・折りたたみ可能
・接触冷感・通気性
・小顔効果・デザイン性

②2024年4月~6月売れ帽子市場売れ筋TOP3

2024年4月~6月の3大ECモールの帽子市場で、売上TOP3商品(2024年7月24日現在)は以下の通りです。(ショップSKU単位)
1位: レディース向け、大きめサイズのつば広帽子(完全遮光タイプ)
2位:ユニセックスキャップ(深めUVカットタイプ)
3位:レディース向け つば広 麦わら帽子

帽子市場のまとめと今後の展望

今回の調査では、帽子市場が前年同期比で堅調に成長していることが確認されました。売上TOP50商品を確認すると、特に高単価商品や機能性を重視したデザインが人気を博しています。2024年には、持続可能性やエコフレンドリーな素材を使った製品の登場が、市場をリードする要因となっています。今後の戦略としては、以下のようなことを意識し、商品開発・品揃えの参考にするとよいのではないでしょうか。

①ユニセックスデザインの強化
性別を問わず使用できるデザインを増やし展開することで、ターゲットを広げた販売方法により、市場シェアを拡大していく可能性があります。

②高機能素材の導入
UVカット機能や通気性の良い素材を活用し、夏季の需要を高めます。また、新素材の開発により、耐火性、耐衝撃性を強化した商品が登場するかもしれません。

③販売方法の変更
現在の雑誌や、テレビなどの媒体以外として、SNSやインフルエンサーを通じてブランド認知度を向上させ、販売へとつなげるなど、新たな販売方法で成功していく企業が増える可能性があります。

④持続可能な商品開発
環境意識の高まりに対応し、エコフレンドリーな素材や製法を取り入れた商品の展開が増える可能性があります。

⑤衛生配慮商品の開発
折り畳み可能製品や素材の変更により、洗濯機にかけることが可能でいつでも衛生的に使用できるタイプの製品が主流となる可能性があります。

今後の帽子市場は消費者のニーズに応じた多様な製品が展開されると予想されます。どのような商品が登場するか、またその商品がどのように市場へ影響を与えていくのか、今後の動向に注目です。



作成者: マーケティングセールスDiv アナリスト 山本 真大(Masahiro Yamamoto)
編集者: マーケティングセールスDiv エディター 村上 咲(Saki Murakami)

Nint ECommerceに関して

日本国内のEC市場の約7割を占める3大ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)の売上・販売数量をモール別、ジャンル別、ショップ別、商品別に分析できる画期的なツールです。Nint ECommerceを活用いただくことで、以下のイベント対策を効率的にサポートしています。

活用例

商品在庫(SKU単位)の拡充
 競合価格を見ながら自社の販売価格を設定
 競合のポイント倍率を見ながら自社のポイント倍率を設定
 商品名(商品情報)での差別化
 検索露出(RPPなど)の強化

Nint ECommerceを活用することで、ECビジネスチャンス創出に役立ちます。ご興味のある方は、ぜひ下記リンクよりNint ECommerceの詳細をご確認ください。

■調査概要・免責事項
・本調査は、Nint ECommerceを用い、国内の3大ECモールである楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの帽子ジャンルを対象として、EC市場の帽子市場を調査しました。

・レポートを利用することにより生じたいかなるトラブル、損失、損害等について、当社は一切の責任を負いません。

調査期間
・2024年4月~2024年6月
・2023年4月~2023年6月
(※本稿における Nint 推計データは 2024年7⽉時点のものを使⽤)

■調査機関(調査主体)
株式会社Nint

■調査対象
Nint推計データ(期間:2024年4月~2024年6月)
Nint推計データは、AIやクローリングなどの技術により⽇本国内の3⼤ECモールで販売される商品の売上⾦額・販売数量を⾼精度に推計したデータに、サイト内でのプロモーションデータ等を加えた、EC市場の総合的な分析を可能にするビッグデータです。

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