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ECモールの扇風機市場規模は、1.54倍で急速に拡大!2024年4~6月の楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの市場を分析

#家電業界 #市場規模

夏本番、3大ECモールの市場動向を徹底分析 – 該当期間における扇風機市場の注目メーカーとショップ、商品動向を確認

はじめに

EC市場は、近年の暑さ対策や省エネ志向の高まりにより、扇風機商品の需要が急増しています。本記事では、2024年4~6月の期間におけるAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングの3大ECモールの市場動向を分析し、注目のメーカーやショップの動向を詳しく解説します。

注目のトピック3つ

  • 扇風機市場は前年同期比で売上が1.54倍に増加
  • 特定のモール・メーカー・ショップの売上が急増
  • 静音性やスマート家電タイプなど、快適性・利便性の高い商品が人気

市場動向

市場全体

2024年4~6月の3大ECモールの扇風機ジャンルの売上は前年比1.54倍に増加しました。販売数量も前年比1.65倍に増加し、平均単価はわずかに減少しましたが、販売数量の増加もあり、好調に推移しています。特に特定のモールの成長率が非常に高く、該当期間の市場を牽引しました。
売上増加率と販売数量増加率、平均単価の減少から判断すると、市場では「平均単価以下or低単価商品」の構成比が増加したと思われます。

3モール動向

楽天市場

楽天市場における扇風機カテゴリーの平均単価は0.77倍に減少しました。売上1位のメーカーのA社がシェア率を8.11%から8.05%にわずかに減少させました。そのほか上位の平均単価を押し上げていたメーカーが軒並みシェア率を下げたことにより、高単価商品が減少し、低単価商品の販売が増加している傾向が見られます。

Amazon

Amazonでは高単価商品の売上が好調です。売上1位のメーカーA社はシェア率を4.34ポイント下げ、2位のメーカーC社との差が縮まりました。2位のメーカーC社はシェア率を2.93ポイント上昇させ、A社の背中が見え始めています。注目は4位のD社です。D社は平均単価を昨年の4倍以上に上昇させ、販売数量も大きく上昇させました。結果市場シェア率を3ポイント以上上昇させ、4位へとランクインしました。全体的に高単価商品が好調であり、シェア変動が激しくなっています。

Yahoo!ショッピング

1位のA社が苦戦するなか、2位~5位のメーカーがA社のシェアを奪う形で推移しています。最終的なTOP5社のシェア率に大きな変動はありません。平均単価の減少は、平均単価の高いA社のシェアが減少し、市場平均単価より低い平均単価の2位~5位のメーカーのシェア率が上昇したことによる影響が大きいです。

※上記メーカーでA社~E社以外のメーカーは本年売上TOP5メーカー以外のメーカーです。

競争環境

注目メーカー

該当期間の売上TOP5メーカーを1位からA社・B社・C社・D社・E社とし、「売上前年比」「数量前年比」「シェア率伸長」「平均単価」の項目から、注目のメーカーを選定しました。

A社
売上前年比1.34倍と堅調に成長し、市場シェアも高い水準を維持しています。注目する理由は、販売数量の増加と平均単価の上昇です。

C社
売上前年比12.37倍と大幅に成長しました。販売数量も前年比9.23倍で、市場シェアを2.5ポイント上昇させました。

注目ショップ

該当期間の売上TOP5ショップを1位からAショップ・Bショップ・Cショップ・Dショップ・Eショップとし、「売上前年比」「数量前年比」「シェア率伸長」「平均単価」の項目から、注目のメーカーを選定しました。

Aショップ
売上前年比1.13倍と堅調な成長を見せています。シェア率は若干減少しましたが、依然として2桁以上の高いシェア率を維持しています。

Cショップ
昨年度実績がないショップCが、本年のショップ売上で3位まで成長しています。1万円を超える高い平均単価を武器に、市場3位にまで昇りつめています。

TOP10商品の動向

本年・昨年のTOP10商品については以下の通りです。

2023年・2024年共通の特徴

  • 高機能で静音設計の製品が多く、ユーザーの快適さを重視。
  • スマート家電としての機能を持つ製品が増加。
  • エネルギー効率の高い製品が人気。

2023年の特徴

  • 昨年は伝統的なブランドの製品が多くランクイン。
  • 価格が手頃なエントリーモデルが人気。
  • 省エネモデルの注目。

2024年の特徴

  • 新しい技術を採用した高価格帯の製品が増加。
  • スマート家電としての機能を持つ製品が新たにランクイン。
  • デザイン性に優れた製品が人気。

2024年4月~6月 3大ECモール 売上TOP3商品(2024年7月22日現在)

  • スマート機能付きの静音タワーファン。リモコンやWiFi音声制御対応。
  • 強力送風で静音設計の冷風機。風量3段階、冷風モード付き。
  • ハンディファン 5way(首掛け、卓上、ハンディ、スマホスタンド、スタンドとして使用可)

ECモール扇風機市場まとめ

扇風機市場は、気温の高い日が多かったことや電気代の上昇などの影響で需要が高まりました。消費者は涼しさに加え、静音性やスマート機能を重視するようになり、高機能でデザイン性の高い製品が好まれています。今後もWiFiや音声制御対応のスマート扇風機が「単価対策」として登場することが予想されます。また、ネックファンやハンディファンのような製品も、スマート家電化や充電機能の追加などで市場を拡大するでしょう。市場平均単価の減少傾向を踏まえ、シンプルな機能の低価格商品と、複数機能を持つ高単価商品の二極化が進むと考えられます。

本調査を通じて、扇風機市場の成長とその背景を明らかにしました。各ECモールは、今後も消費者ニーズに応じた戦略を展開することで、更なる市場拡大が期待されます。

Nint ECommerceに関して

日本国内のEC市場の約7割を占める3大ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)の売上・販売数量をモール別、ジャンル別、ショップ別、商品別に分析できる画期的なツールです。Nint ECommerceを活用いただくことで、以下のイベント対策を効率的にサポートしています。

活用例

商品在庫(SKU単位)の拡充
 競合価格を見ながら自社の販売価格を設定
 競合のポイント倍率を見ながら自社のポイント倍率を設定
 商品名(商品情報)での差別化
 検索露出(RPPなど)の強化

Nint ECommerceを活用することで、ECビジネスチャンス創出に役立ちます。ご興味のある方は、ぜひ下記リンクよりNint ECommerceの詳細をご確認ください。


備考

前提条件

本調査は、2024年4~6月の期間におけるAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングの3大ECモールを対象としています。扇風機商品を主な分析対象とし、売上、販売数量、平均単価を比較しました。

調査手順

各ECモールの売上、販売数量、平均単価について、前年同期間との比較を行いました。また、TOP5のメーカーとショップについても同様に分析し、市場におけるシェア率の変動も確認しました。

調査・分析に用いたデータ

調査に使用したデータは、Nint ECommerceを用い、各ECモールから抽出した売上、販売数量、平均単価の推計データを使用しました。調査期間は2024年4月から6月までの3ヶ月間で、前年同期と比較することで市場動向を分析しました。

調査時期・データ抽出期間

調査対象時期は2023年4月から6月と2024年4月から6月までです。
データ抽出期間も同期間です。両者にずれがないため、データの一貫性が保たれています。

クレジット

作成者: マーケティングセールスDiv 山本 真大
編集者: マーケティングセールスDiv 村上 咲

株式会社Nint について

Nintグループは「データで世界を自由にする」というミッションのもと、急拡大するEC市場において、誰もが最適なマーケティング施策を可能とするECデータ分析プラットフォームを実現します。中国・日本のEC市場で10年以上にわたり、EC市場動向に関する推計データを独自に蓄積・提供し、中国で約4000社、日本で約1300社のサービス導入実績があります。

株式会社Nint 会社概要

  • 代表者: 吉野順子
  • 所在地: 東京都新宿区西新宿八丁目17番1号 住友不動産新宿グランドタワー37F
  • URL: Nint 公式サイト
  • 設立: 2019年2月
  • 事業内容: ECデータ分析サービスの提供

本レポートに関するお問い合わせ先

  • 株式会社Nint マーケティングセールスディビジョン
  • E-mail: marketing@nint.jp
  • TEL: 03-5331-6318 ※平日10:00~19:00(休祝日除く)