日本メーカー・ブランドは必見!タオバオライブ2大KOLの影響力を徹底分析!
前回の記事では、中国のライブコマースイベント「330タオバオライブセレモニー」についてご紹介しました。今回はこの「淘宝直播(タオバオライブ)」で最も知名度の高い2大KOL、viya(薇娅)とAustin(李佳琦)について、売上実績など具体的データを見ながら徹底分析をします。
【データ抽出方法】
データ期間:2020年3月1日-31日
抽出方法:淘宝直播分析サービス「直播洞察(NINT SHANGHAI CO.,LTD)」
対象モール:淘宝(タオバオ)、天猫
対象KOL:viya(薇娅)、Austin(李佳琦)
◇目次◇
▽viya(薇娅)は売上優勢、Austin(李佳琦)はお気に入り追加数優勢
▽viya(薇娅)は広範ジャンル、Austin(李佳琦)は美容ジャンル
▽viya(薇娅)取引金額TOP5
▽Austin(李佳琦)取引金額TOP5
▽ライブ視聴回数比較
▽まとめ
目次
viya(薇娅)は売上優勢、Austin(李佳琦)はお気に入り追加数優勢
2020年3月のライブコマース取引金額は、viya(薇娅)が約273億円(約18億元)、Austin(李佳琦)が約243億円(約16億元)となっており、取引件数はどちらも2,200万件以上ありました。平均価格はviya(薇娅)が約1,180円(約77.7元)、Austin(李佳琦)が約1,110円(約72.5元)とほぼ同価格帯でした。
ライブで紹介されるショップ数と商品数はどちらもviya(薇娅)がAustin(李佳琦)より多く、viya(薇娅)は1日平均18ショップで30商品を紹介し、Austin(李佳琦)は1日平均13ショップで19商品を紹介していました。しかし、商品のお気に入り追加数はAustin(李佳琦)が約40万件とviya(薇娅)より約4万件ほど多かったため、1商品あたりの宣伝力はAustin(李佳琦)がviya(薇娅)より優れていると言えそうです。
viya(薇娅)は広範ジャンル、Austin(李佳琦)は美容ジャンル
viya(薇娅)は美容ジャンルを最も多く扱っていますが、それ以外も食品/保健やデジタル家電、服・靴・鞄などその他にも多くのジャンルを扱っています。これに対してAustin(李佳琦)は約6割近く美容ジャンルを扱っています。データから見ると、美容関連の企業はviya(薇娅)とAustin(李佳琦)の両方を起用できそうですが、それ以外のジャンルはviya(薇娅)の起用が効果的なようです。
viya(薇娅)取引金額TOP5
viya(薇娅)の紹介する上位5商品の取引金額は、それぞれ月商億単位の規模となっており、1位はSK-IIで4.7億円、2位はファーウェイ傘下のhonorで4.3億円、3位は韓国の高級コスメブランドのドフー(The History of Whoo)で3.5億円、4位は中国ジュエリーブランドの周大生で3億円、5位はドイツ産調理鍋ブランドのKBHで2.9億円でした。
上位5商品は美容、デジタル家電、ジュエリー、キッチン用品と幅広いジャンルがランクインしており、viya(薇娅)の安定した販売力が伺えます。
また、上位3商品の取引価格は、1位は6.2万円、2位は3.8万円、3位は2.3万円と高単価なものでした。
Austin(李佳琦)取引金額TOP5
Austin(李佳琦)の紹介する上位5商品の取引金額も全て月商億単位の規模となっており、1位はSK-IIで7.3億円、2位は中国化粧品ブランドDr.Yuで4.2億円、3位は中国コットンブランドのCOTTON SHOOTSで3.1億円、4位はスペインのスキンケアブランドISDINで2.6億円、5位はロレアルで2.4億円でした。
上位5商品全てが美容系となっており、また1位SK-IIの商品はviya(薇娅)が同月販売していたものと同じで、この商品のみではAustin(李佳琦)に軍配が上がったと言えます。
ライブ視聴回数比較
ライブ視聴回数(※)のグラフを見ると、月間通してviya(薇娅)のライブがAustin(李佳琦)のライブより多く視聴されていることがわかります。viya(薇娅)のライブは月間を通して2,000万回/日を上下する安定した視聴回数を保っているのに対し、Austin(李佳琦)は3月上旬のピークのあとは、1,500万回/日前後の視聴回数となっていました。
※ユニークの視聴者数ではなく、ユーザーがアクセスした回数にて算出
3月上旬にviya(薇娅)とAustin(李佳琦)共にピークがあったのは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響後、久しぶりに開催された天猫のイベント「国際女性デー」(3月5日〜8日)があったため、3月4日の数値が特に伸びたようです。
まとめ
今回は「淘宝直播(タオバオライブ)」で成功を収めた2大KOLについて、売上実績などを交えてご紹介しました。
訴求力の高いKOLの影響もあり、中国で成功し、現在も勢いを増しているライブコマース。
モバイル端末で完結するリアルタイムでのショッピング体験は、既に日本でも一部アプリで取り入れられていますが、まだメジャーとまでは言い難い状況です。
しかし、今後「withコロナ」の日本において需要が高まり、新たな顧客接点の一つとして定着していくかもしれません。
関連記事:【Nintユーザー限定記事】7月3大モール動向&Yahooショッピング、PayPayモールジャンル別比較