キャッシュレス還元終了で財布市場は命拾い?EC先進国では財布市場が大幅収縮!
2019年10月から2020年6月まで実施されたキャッシュレス・消費者還元事業ですが、期間中には5%・2%が還元されるということで、スマホでキャッシュレス決済を行うサービスがオフライン店舗でいくつも導入されました。
キャッシュレス決済の先進国中国では、財布ではなくスマホを片手にショッピングに行くことが一般的ですが、日本でキャッシュレス決済が普及すれば、利用頻度の減る財布市場に大きく影響を与えられることも考えられます。
今回は中国タオバオの財布市場の傾向を見ながら、今後日本ECでも起こり得るEC市場の動向についてNintのデータを見ながらご紹介したいと思います。
【データ抽出方法】
対象モール:中国EC(淘宝(タオバオ)、天猫)
日本EC(楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazon)
対象ジャンル:財布(日本、中国)
対象商品:財布ジャンル売上TOP100(中国)
データ期間:2018年4月〜2020年6月(中国)、2019年1月〜2020年6月(日本)
【目次】
▼中国:キャッシュレスが財布市場に大きく影響
▼中国:商品価格も下落傾向に
▼日本:キャッシュレス還元も市場に影響無し
▼まとめ
中国:キャッシュレスが財布市場に大きく影響
EC先進国の中国では、オフラインでのキャッシュレス決済も日常生活に深く浸透しています。こうした背景もあってか、淘宝(タオバオ)の財布市場は年々縮小傾向にあり、2018年6月に62億円だった売上が2020年6月には20億円へと大きく減少しています。
中国:商品価格も下落傾向に
また、2019年1 月からの財布ジャンルTOP100商品の販売価格を見てみると、新型コロナウイルス(COVID-19)による中国国内の感染拡大期間に最高価格が高騰してはいるものの、平均価格や中央値価格の傾向としても下落していることがグラフから見て取れます。
日本:キャッシュレス還元も市場に影響無し
日本では冒頭にもあげたキャッシュレス・還元消費者事業の影響と、各種サービスの熱心なプロモーションなどで還元期間中には広くキャッシュレスが利用されたようですが、5月、6月の日本ECの売上データを見る限り、財布市場に影響を与えたという様子はなさそうです。また7月以降はキャッシュレス還元もなくなるということで、キャッシュレス決済自体を利用しなくなる店舗も一部で増えているようです。こうしたこともあり、しばらくは財布市場も中国のように減退・縮小することはなさそうです。
まとめ
日本におけるキャッシュレス決済も、還元終了やコロナの影響で今年中に広く普及される見込みはまず無さそうです。しかし、スマホ片手に決済をする便利さが根付けば、中国のように財布市場が大きく縮小する可能性が高く、常に最新の市場動向に目を向けながらビジネスを継続する必要がありそうです。
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