2024年のECトレンド振り返り&2025年の売れる商品予測【食品・ファッション・コスメ】
目次
2024年のECトレンドを振り返る
㈱Nintのカスタマーサクセスの加藤です。
私は主に食品、ファッション、コスメジャンルのお客様を担当するチームに所属しております。そこで今回は楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの3大ECモールで各ジャンルの2024年に人気だった商品を見ながら2024年のトレンドを振り返ります。
食品ジャンル:トレンドはラベルレス
(対象ジャンル
楽天市場:「食品」「水・ソフトドリンク」「日本酒・焼酎」「ビールお酒」「スイーツ・お菓子」
Amazon:「食品・飲料・お酒」
Yahoo!ショッピング:「食品」)
2024年の売上ランキングTOP10を見ると飲料が多くランクインしており、その中でも水やお茶が目立ちます。2024年は能登半島地震や能登半島豪雨などがありましたが、震災直後の売上を確認すると顕著な売上の上昇は見られず、むしろ猛暑による影響が大きかったと考えられます。またその中でもラベルレスのペットボトル飲料が5つランクインしており、そのうちの4つは2023年はTOP10圏外だったため、2024年のトレンドと言えるでしょう。
ラベルレスペットボトル飲料は2018年頃から登場していましたが、上記のトレンドや2024年4月には防災用飲料水もラベルレス対応となり、「ラベルレス元年」とも言えそうです。またモール別に見ると、ラベルレスペットボトル飲料の売上はAmazonが最も高くなっています。
ファッションジャンル:トレンドは折りたたみ傘
(対象ジャンル
楽天市場:「メンズファッション」「レディースファッション」
Amazon:「服&ファッション小物」
Yahoo!ショッピング:「ファッション」)
2024年の売上ランキングTOP10を見ると折りたたみ傘が4つランクインしていました。2023年TOP10には1つしか入っていなかったため、2024年のトレンドと言えます。ランクインした4商品の売上を見ると、2023年は6月がピークでしたが、2024年は6月~8月頃まで売上のピークが続きました。
例年、折りたたみ傘は梅雨および紫外線対策で6月に売上が伸びる傾向がありますが、2024年は猛暑の長期化とゲリラ豪雨も頻発したことで需要が継続したのではないかと考えられます。またモール別に見ると折りたたみ傘の売上はAmazonが最も高い結果となりました。
コスメジャンル:美容液&トリートメントのトレンド継続
(対象ジャンル
楽天市場:「美容・コスメ・香水」
Amazon:「ビューティ」
Yahoo!ショッピング:「コスメ、美容、ヘアケア」)
2024年の売上ランキングTOP10を見ると、美容液とトリートメントが多くランクインしました。2023年のTOP10にも8商品がに入っていたため、トレンドが継続していると判断できます。意外だったのは、2023年にはTOP10入りしていた日焼け止めが全体的に順位を下げたことです。
食品やファッションジャンルは2024年の猛暑の影響を反映していたランキングでしたが、コスメジャンルでは異なる動きが見られました。またモール別に見ると売上は楽天市場の売上が最も高くなっておりました。
2025年のECトレンド予測
食品:エコ&機能性飲料が拡大
環境意識の高まりから、エコパッケージの採用が進み、紙パック飲料やリサイクル可能な容器の需要が増加すると予想されます。また、健康志向の消費者向けに、腸活ドリンクや糖質カット飲料といった機能性飲料の人気が高まるのではないでしょうか。さらに、EC市場では、セット販売やまとめ買い専用商品が増える傾向が見られます。
ファッション:猛暑対策+オールシーズン対応
近年の気候変動を背景に、UVカット機能や冷感素材を使用した衣類の需要が拡大すると考えられます。また、オールシーズン対応の機能性ウェアが増え、一年を通じて快適に過ごせるアイテムが注目されるでしょう。加えて、ワークウェアや通勤向けアイテムの機能性が向上し、ビジネスシーンでも実用性の高い製品が増加すると予測されます。
コスメ:スキンケア重視+ミニマルメイク
スキンケア市場では、マイクロバイオーム技術や幹細胞コスメが牽引し、より高機能なスキンケア製品が求められるようになるでしょう。一方で、時短メイクの需要は継続し、手軽に使用できるオールインワンアイテムや多機能コスメの人気が続くと考えられます。さらに、環境配慮の観点から、詰め替え可能なパッケージを採用したコスメブランドが増加し、サステナブルな選択肢が広がると推測しています。
まとめ
2024年は主に猛暑の影響で食品・ファッションジャンルのトレンドが形成されましたが、コスメジャンルはトレンドが継続する形となりました。2025年も環境問題や物価高の影響を受け、大きなトレンドの変化が予測されます。
過去のトレンドや市場の動きを参考にしながら、2025年のEC戦略を立てていくことが求められます。本記事では3つの主要ジャンルを紹介しましたが、Nint ECommerceではより幅広く詳細なデータを提供しています。ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
加藤 洋平(かとう ようへい)
株式会社Nint カスタマーサクセスDiv フード&ファッション・コスメユニット データアナリスト
2010年よりグリーンスタンプ株式会社にてコンサルティング営業としてキャリアをスタート。 2017年よりバリューコマース株式会社にてデータアナリストとしてコンサルティング業務に従事。その後、株式会社フィードフォース社を経て、2022年よりNintにて営業もできるデータアナリストとして鋭意活動中。
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【出典:「2024年のECトレンド振り返り&2025年の売れる商品予測【食品・ファッション・コスメ】」(2025年1月16日公開)】
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