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売上アップに繋げる商品分析7つの手法【フレームワークと事例】

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自社製品やサービスを開発する際、商品分析を徹底して自社の強みや弱み、顧客の購買行動を把握することが欠かせません。商品分析を徹底することで、市場における自社製品の立ち位置や改善すべき課題が見えてくるでしょう。
また、商品分析の手法として「商品分析フレームワーク」が活用されることが一般的なため、ビジネスパーソンであれば覚えておいて損はありません。今回は商品分析に効果的なフレームワークの種類や、分析手順について解説します。

商品分析の基礎知識

自社の新商品やサービスを考案する場合、まずは過去の商品分析から着手することをおすすめします。なぜなら実際に商品やサービスを販売して得られるデータは、消費者のニーズや競合他社が販売している商品など、市場の動きを予測できるさまざまな要素を含んでいるからです。

商品分析とは

商品分析とは、自社の商品やサービスの購買データを分析して、市場における立ち位置を把握することをいいます。また適切な商品分析は、売上拡大や商品の開発、改善に役立てられます。 商品分析というと、自社から売り出しているカタチとして残る商品を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。ただ、実際は目に見えないサービスも分析対象になります。さらに商品分析は、以下の理由からほぼすべての企業が重視すべき工程だといえます。

  1. 自社の商品やサービスを客観的に見直すことができる
  2. 会社やプロダクトの将来的な予測に役立つ
  3. 収益性の高い製品やサービスを見分けられる

商品分析の活用例

商品企画

商品企画とは、自社で販売する新しい商品やサービスのアイデアやイメージを考案することです。企画段階においても商品分析をすることで、競合他社と被らないターゲット層や顧客のニーズを発見できます。

商品開発

商品開発とは、顧客に売れる商品やサービスを自社で考え作り出すことです。これまでに販売した商品の分析で、価格・宣伝方法・店舗別の売れ行き・競合他社との比較などを把握することで、顧客のニーズを理解し、売れる商品やサービスを考案できます。

経営・マーケティング

商品分析を行えば、自社商品やサービスが、市場においてどのような立ち位置にあるかを把握できます。競合他社や顧客ニーズを踏まえて売れ筋商品を伸ばすか、いわゆる「死に筋商品」を改善するか、市場から撤退するか、などの判断が立てやすくなります。

宣伝・販売

商品分析でターゲット層を把握すれば、宣伝および販売方法が明確になります。定めたターゲット層が興味や関心を惹くもの、よく買い物へ行く場所などを明らかにできれば、商品やサービスの認知度を上げるための販売戦略が立てやすくなるためです。

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商品分析の7つの手法(フレームワーク)

商品分析は売上コストや顧客の購買行動といった複数の視点で行うことが一般的です。また商品分析から得たい情報によっても適切なデータ分析方法が異なります。初めに、主な商品分析のフレームワークを理解し、それぞれの方法や分析から得られる情報について確認しておきましょう。

ABC分析

ABC分析とは、売上やコスト、在庫などのいくつかの指標を大きい順に並び替え、優先順位を決めて管理しやすくするフレームワークです。例えば、商品を売上高の高い順にA・B・Cとランク付けすることで、どの商品に注力すべきか、在庫管理をどのように行うべきかといった戦略を立てる際に役立ちます。パレートの法則に基づいたフレームワークで、「重点分析」とも呼ばれます。
パレートの法則とは、イタリアの経済・社会学者ヴィルフレド・パレートが提唱した「売上の8割は、全体の2割の商品によって生み出されている」という法則です。現状を素早く可視化でき、時系列で施策を効果測定できるメリットがあります。

アソシエーション分析

アソシエーション分析とは、自社製品やサービスの購買履歴や購入パターン、顧客の層を分析することを指します。顧客の購入履歴を調べることで、自社製品やサービスと一緒に購入・利用されている特定の商品サービスなどの発見につながります。
その一例として有名なのが「紙おむつとビール」の事例です。あるアメリカの大手スーパーマーケットが、「紙おむつとビールを同時に購入する人の割合が高い」というデータをアメリカの大手スーパーマーケットが発表し話題になったのです。子供のおむつを買いに来た父親が、ついでに自分のビールも購入するという購買パターンがわかり、2つの商品を同じ棚に並べたところ、どちらも売上アップにつながりました。
このように、アソシエーション分析で顧客の購買パターンや同時に購入および利用されているサービスを把握すれば、販売戦略立案に役立てられます。

バスケット分析

バスケット分析とは、Amazonや楽天などのECサイトで、顧客が買い物かご(マーケットバスケット)に入れた商品やサービスを分析することです。顧客が同時に購入する商品やサービスの法則を見つける点はアソシエーション分析と似ています。
ただしアソシエーション分析は、顧客の属性から購買データや購買パターンなど広い範囲を対象に分析します。一方でバスケット分析は、ECサイトのカゴの中や店舗に設置しているPOSレジのデータからわかる、購買データを対象に分析することを指します。

デシル分析

デシル分析とは、ある一定期間の間に商品やサービスを購入した顧客の購入金額において、高い方から順番に並べ、上位から10個のグループに分けます。さらに各グループの購入比率や売上構成費などを分析して売上に貢献している顧客をランク付けすることで、新しい販促戦略の考案や見直しに役立てられます。
また分析対象は顧客だけではなく企業にも当てはまります。BtoBのサービスを展開しているなら、デシル分析で売上に貢献している企業を洗い出すことで、関係を強化すべき取引先企業や、優良顧客になりやすい企業の特徴の見極めに効果的です。

4P分析

4P分析とは、Product(製品・サービス)、Price(価格)、Place(販売場所・提供方法)、Promotion(販促活動)の要素で商品を分析することです。具体的には、以下4つの視点から商品やサービスを分析します。

Product(製品・サービス) どんな商品やサービスを提供するのか
Price(価格) 提供する商品やサービスはいくらで提供するのか
Place(販売場所・提供方法) 商品やサービスをどこでどのように販売するのか
Promotion(販促活動) 商品やサービスをどのように販促するのか

またサービス業の分析を行う場合は、上記に新しく3Pを加えた7P分析がおすすめです。

People(人) 誰がサービスを提供するのか
Process(提供プロセス) どのようにサービスを提供するのか
Physical Evidence(実績・証拠) サービスが提供できる証拠や実績はあるのか

クラスター分析

クラスター分析とは、異なる複数の要素が混ざり合ったデータの中から、共通点や似ている箇所があるものを集めてグループ化する分析のことです。グループ化するデータは、顧客や商品、商品やサービスに対する感想なども対象です。
クラスター分析には2種類の方法があり、グループとしてまとめ、さらに似ているグループをまとめて線でつなぎ、最終的には1つの大きなグループになるよう決定木の形にする階層クラスター分析です。
もう一つは、あらかじめ分けるグループ数を定めておき、できるだけその数のグループができるよう似た要素同士をグループ化する非階層クラスター分析です。決定木のように線ではつながず、階層的な構造はありません。

トライアル・リピート分析

トライアル・リピート分析は、商品やサービスを購入したユーザーが、どれくらいの確率で再び購入するかを分析することです。この分析では、初回購入者数を増やす施策と、リピーターを増やす施策のどちらを優先すべきかを判断する際に役立ちます。例えば、リピート率が低い場合は、商品の改善や顧客満足度向上のための取り組みを検討する必要があるでしょう。
以下の計算式でリピート率を算出し、商品やサービスの支持度を測る際に役立てられます。

リピート率 = 商品やサービスを2回以上購入したユーザー数 ÷ 商品やサービスを1回以上購入したユーザー数

1回以上購入したユーザー数が少なくても、リピート率が高ければ販促次第でより大きな売上が期待できることがわかります。また1回以上購入したユーザー数が多くても、リピート率が低い場合は、商品やサービス自体の見直しが必要といえるでしょう。

商品分析を実施する流れ

商品分析の手順や、ステップごとの注意点について知っておきましょう。なぜなら、商品分析のフレームワークを用いても、使用する目的や欲しいデータが明確でなければ、正しい情報が得られない可能性があるためです。

Step1.目的を明確にして仮説を立てる

商品分析を行うときには、分析する目的を明確にします。目的を明確にすることで、適切な分析手法やフレームワークが選びやすくなります。またデータの収集前に、自分なりの仮説を立てることも重要です。仮説を立てれば、データ同士の因果関係が見えやすくなります。また仮説を立てて検証するという行為は、今後の自分のマネージメント力や判断力の向上に役立つでしょう。

Step2.データを収集する

自社製品またはサービスのデータを収集します。このときに、明確にした分析目的や仮説をもとに、どのような情報が必要なのかを見極めます。

Step3.収集したデータを分析する

収集したデータをフレームワークに当てはめて分析します。分析するときは、データの収集から分析、グラフやレポート作成まで自動で行ってくれるBIツールの使用がおすすめです。

Step4.実際のデータから仮説を検証する

収集したデータや分析結果をもとに、あらかじめ立てた仮説が正しかったか検証します。このとき、仮説の正しさを立証することにこだわり、事実を捻じ曲げないよう注意が必要です。

Step5.商品やサービスの開発や改善に役立てる

仮説の誤りも含め、収集したデータの要素やデータ分析から導き出された答えを商品やサービス開発に役立てます。

商品分析はフレームワークを使う前に目的と仮説を明確に

商品分析は、市場における自社製品やサービスの立ち位置、客観的に見た評価を把握するために役立ちます。
そして市場における外部環境や顧客ニーズは日々変化するため、商品分析はこまめに行った方がいいでしょう。またその際、必ず売上データ分析の目的や仮説を明確にします。するとデータや要因同士の因果関係が見えやすくなり、戦略立案や商品開発における判断力が養われます。
BIツールなどのソフトウェアを用いれば、計算やデータの打ち込みなどの手間が省けるため、商品分析の積極的な活用を検討している企業は導入をおすすめします。

Nint ECommerceに関して

日本国内のEC市場の約7割を占める3大ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)の売上・販売数量をモール別、ジャンル別、ショップ別、商品別に分析できる画期的なツールです。Nint ECommerceを活用いただくことで、以下のイベント対策を効率的にサポートしています。

活用例

商品在庫(SKU単位)の拡充
 競合価格を見ながら自社の販売価格を設定
 競合のポイント倍率を見ながら自社のポイント倍率を設定
 商品名(商品情報)での差別化
 検索露出(RPPなど)の強化

Nint ECommerceを活用することで、ECビジネスチャンス創出に役立ちます。ご興味のある方は、ぜひ下記リンクよりNint ECommerceの詳細をご確認ください。

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【出典:「商品分析の7つの手法(フレームワーク)、基礎知識と分析の流れ」】
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