アマゾン(Amazon)を売上推計データから振り返る
Eコマースに携わっている方と話をするとAmazon.co.jpの動向に多くの方が関心を持っていると感じることが増えてきた。今回は存在感が大きくなるAmazon.co.jpの動向について分析を行った。
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目次
楽天市場とAmazon.co.jpの人気ジャンル比較
上記は楽天市場とAmazon.co.jpにおける2016年1月〜12月までのデータを利用し、各人気ジャンルをランキングしたものである。それぞれのプラットフォームでジャンル構成(ジャンル内に登録される商品)が微妙に違うため比較には注意が必要だが、Amazon.co.jpでは「家電・カメラ」「ホーム&キッチン」などの電化製品類に人気が集まっているようだ。また、楽天市場で最も人気のある「スポーツ・アウトドア」ジャンルはAmazon.co.jpでは第6位の規模となっており両社の人気ジャンルが大きく異なっている事が読み取れる。
楽天市場とAmazon.co.jpにおける商材の季節性
上記は楽天市場とAmazon.co.jpの第一ジャンルの年間販売データを用いて販売動向に季節性があるかを分析したものである。赤色で表したものが所属ジャンル内販売額上位2ヶ月、青色で表したものが所属ジャンル内販売額下位2ヶ月である。上記から分かる季節毎の特徴は以下のようなものだ。 EC事業を運営されている方はご自身の商材が所属するジャンルをチェックして頂きたい。
楽天市場
・春
「インテリア・寝具・収納」「キッチン・食器・調理用具」「学び・サービス・保険」など新生活に関わるジャンルの売り上げが増加する。
・夏
「ビール・洋酒」「日本酒・焼酎」「スポーツ・アウトドア」「インナー・下着・ウェア」など夏を彷彿とさせる品物の売り上げが増加する。
・年末(秋・冬)
「ファッション」「おもちゃ・ホビー・ゲーム」「家電」など特にクリスマス商戦関連の商材の売り上げが増加する。
Amazon.co.jp
・春
パソコン・周辺機器、家電&カメラ、大型家電、ホーム&キッチンなど新生活向け商品の売り上げが増加する。
・夏
スポーツ&アウトドア、車&バイクなどの商材が売り上げが増加する。
・年末(秋・冬)
クリスマス商戦に向け、ゲーム、ドラッグストア、服&ファッション小物、ファッション、ジュエリー、シューズ&バッグなどの売り上げが増加する。
楽天市場とAmazon.co.jpの人気製品ランキングの比較
上記は2016年における楽天市場とAmazon.co.jp内の上位30製品をランキングにしたものである。楽天市場では食品やコンタクトレンズ、電子タバコ、美顔器などの日用品が多くランクインしており上位30商品の平均価格は約14,684円である。
一方、Amazon.co.jpの人気商材は空気清浄機、洗濯機、冷蔵庫などの電化製品に集中している事が特徴であると言え、上位30商品の平均価格は約19,072円である。これらのデータから二つの市場を比較すると人気のジャンルや平均価格帯などに大きな違いがある事が分かる。電化製品が人気のAmazon.co.jpでは楽天市場よりも平均価格が上昇する傾向にあるようだ。
Amazon.co.jpの上位ジャンルの人気製品
上記はAmazon.co.jpの人気ジャンルの中から、一例として「家電&カメラ」「パソコン&周辺機器」の人気製品を取り上げたものである。「家電&カメラ」ジャンルで第1位の商品であるSHARP製の空気清浄機は年間平均価格17,438円でリビングや寝室での利用が最適なスタンダートモデルの商材である。また、「パソコン&周辺機器」ジャンルで第1位の商品であるワコム製のペンタブレットは年間平均94,256円でありクリエーターやデザイナーなどのプロ向け商材である。
楽天市場とAmazon.co.jpのメーカー別シェア比較
上記は楽天市場とAmazon.co.jpの2016年における年間シェアデータを用いてインクジェットプリンタとペット用品それぞれのジャンルについて製造メーカーのシェア動向を比較したものである。特徴的なのはインクジェットプリンタジャンルにおいて、楽天市場とAmazon.co.jpでトップシェアのメーカーがそれぞれ違うことである。一方、ペット用品についてはロイヤルカナンが両市場ともトップの市場シェアを誇っている。ここでは単年のデータを用いたが、前年のデータを用いればシェアの推移も把握することが可能である。
総括
今回はAmazon.co.jpと楽天市場のデータの比較を行った。販売額などの詳細なデータは非開示としたが、楽天市場とAmazon.co.jpの販売傾向の差がはっきりとした結果となっている。今後さらにシェアを拡大していくと考えられるAmazon.co.jpにおいて戦況把握は欠かせない。各商品の市場規模などの詳細なデータをご希望の方はぜひ無料トライアルより確認いただきたい。
この分析に用いたデータについて
この記事は株式会社Nintが提供するECデータ推計サービス 「Nint(ニント)」に基づき作成されています。記事中の数値はすべて「Nint(ニント)」 が独自のビッグデータ技術を用いて算出した推計値となり、紙面の特性上詳細なデータは省略しております。より詳細なデータをご希望の方や執筆記事にご意見のある方は、こちらからお問い合わせ下さい。なお、上記に展開されているすべての知的財産権等は株式会社Nintが保有しております。また転載・引用されたことにより、利用者または第三者に損害その他のトラブルが生じた場合、当社は一切その責任を負いません。