インバウンド需要とEC業界との意外な関連性
皆様、こんにちは。Nintの吉原です。
2020年、新型コロナウイルスの拡大で旅行が制限され、海外からの観光客が激減しました。それを受け、日本の観光業や地域経済は大きなダメージを受けました。しかし、2022年6月から外国人観光客の受け入れが段階的に再開され、2023年には水際対策も終了しました。これにより、観光業や地域経済の回復が期待されています。
今回、改めて、コロナ以降によく耳にする「インバウンド需要」について、特にEC業界に焦点を当てて考えてみたいと思います。それでは、早速見ていきましょう。
目次
インバウンド需要とは何か
そもそもインバウンド需要とは何か? 実際に説明を求められると、何て説明すれば良いのだろう? と思う方も多くいるのではないでしょうか。インバウンド(inbound)とは、「外から中に入ってくる」という意味があります。業界によって様々な使い方をされる言葉ですが、もっとも頻繁に使われているのは、観光業界における「外国からの旅行者」という意味です。
すなわち、インバウンド需要とは、海外からの旅行者や訪問者が日本に来て、観光やビジネスを目的に消費活動を行うことで生じる需要を指します。具体的には、ホテルやレストランの利用、観光地の入場料、土産物の購入、交通機関の利用などが含まれます。インバウンド需要は、日本国内経済に大きな影響を与える重要な要素となっています。
インバウンド需要はなぜ起きているのか
昨今、日本でインバウンド需要が高まっている背景には、いくつかの要因があります。
▼観光プロモーションの強化
日本政府や地方自治体が積極的に観光プロモーションを行い、海外からの観光客誘致に努めていることが一因です。特に、観光地の魅力をアピールするキャンペーンや国際的なイベントの開催が効果を上げています。
▼ビザの緩和
一部の国・地域に対するビザの取得要件が緩和されたことも大きな要因です。これにより、特にアジア圏からの訪日客が増加しました。
▼円安の影響
特に2022年ごろから、アメリカの金利上昇などの様々な影響によって未曾有の円安が続いています。円安により、日本でのショッピングや観光が外国人にとって割安になり、旅行先としての魅力が高まりました。
▼文化の魅力
日本独自の文化や食文化、自然の美しさがこれまで以上に世界的に注目されていることが挙げられます。特にアニメや漫画、和食、四季折々の風景などが外国人観光客にとって大きな魅力となっています。
インバウンド需要がEC市場に与える影響
インバウンド需要は一見するとオフラインの消費にのみ影響を与えているように感じられますが、実はEC業界にも多大な影響を与えています。訪日観光客が増えることで、日本国内のECサイトやサービスを利用する機会が増え、オンラインでの売上も向上します。
▼越境ECの拡大
観光客が日本で購入した商品やサービスを帰国後も購入したいと考えることが多く、越境EC(海外向けのオンライン販売)が拡大しています。特に、化粧品や電子機器、ファッションアイテムなどが人気です。
▼多言語対応の必要性
インバウンド需要の増加により、ECサイトが多言語対応を進める必要性が高まっています。これにより、外国人観光客が日本のオンラインショップを利用しやすくなります。
▼ブランディングの強化
外国人観光客に日本ブランドの商品を知ってもらえる機会が増え、ブランドの認知度が向上します。
デジタル決済の普及: 観光客が利用するデジタル決済手段(例えば、中国人観光客向けの支付宝(Alipay)や微信支付(WeChat Pay))に対応することで、ECサイトの利便性が向上し、売上増加に寄与します。
インバウンド需要を取り込むには?
インバウンド需要を取り込み、ECショップが売上を上げるためには、以下のポイントが重要です:
▼多言語対応
外国人観光客がスムーズにショッピングできるように、多言語対応のウェブサイトを構築することが不可欠です。英語だけでなく、中国語や韓国語など、多くの観光客が使用する言語での商品説明や購入手続きの案内を提供すると良いでしょう。
▼海外配送の整備
観光客が帰国後も商品を購入しやすいように、海外配送サービスを整備しましょう。配送コストの明確化や迅速な配送手配が重要です。
▼オムニチャネル戦略
実店舗とECサイトの連携を強化し、観光客が店舗で見た商品をECサイトで購入できるようにすることで、購買機会を増やします。例えば、店舗で購入した商品の在庫がない場合、ECサイトから取り寄せるサービスを提供すると効果的です。
▼インフルエンサーマーケティング
外国人観光客に人気のあるインフルエンサーを活用し、商品やサービスの魅力をSNSで発信してもらうことで、認知度を高める手法の一つです。特に、若者向けのマーケティングとして近年非常に注目されています。これは、観光客が自国に戻った後でも、ECサイトを訪れる動機付けになります。
モール出店という選択肢
インバウンド需要に対応するために、自社ページを作成する以外に、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングなどのモールへの出店という選択肢もあります。
ECの売上は、主に「品揃え」×「閲覧数」×「転換率」×「購入単価」で構成されます。自社ページのみでは「閲覧数」が課題となることが多いです。3大モールへの出店を行う場合、自社ECサイトと異なり自分たちで集客する必要がないなどのメリットがあります。
当社では、ECモールに出店する企業様向けに、3大モールのランキング履歴に基づいた過去の売上調査データの提供を行っています。
競合ショップがインバウンド需要をどう取り込んでいるのか、どのような商品が売れているのか、過去のデータを基にクラウドツールで分析できます。多くのショップ動向を把握することで、戦略的な自社運営に役立てることができます。
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