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ECモールの冷蔵庫市場規模は、0.97倍で微減!2024年4~6月の楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの市場を分析

本記事のポイント

  • 冷蔵庫市場の売上は前年同期比で0.97倍と縮小
  • 楽天市場: 上位は安定も、3位以下のメーカー・ショップに大きな順位変動
  • Amazon: 売上数量増も平均単価減少は減少。メーカー・ショップの順位に変動あり
  • Yahoo!ショッピング: 平均単価上昇、メーカー・ショップともに順位変動が激しい

新生活の必需品ともいえる冷蔵庫は3月ではなく夏場に売上のピークを迎えます。これは、気温の上昇に伴い冷蔵庫の需要が高まることが一因ではないかと考えます。2024年は4月からすでに気温が夏日近くまで上がることが多く、ひょっとしたら冷蔵庫の需要時期が早まっているのではないかと思い、今回は2024年4~6月のEC市場における冷蔵庫市場の動向を、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの3大ECモールから分析しました。

冷蔵庫市場3大ECモールの動向

冷蔵庫市場動向

2024年4~6月の冷蔵庫市場全体の売上は前年同期比で0.97倍、販売数量は1.01倍増加しました。平均単価は前年の49,931円から47,945円と減少しました。販売数量が増加した一方、売上が減少したこと、平均単価の減少から、低単価商品の売上構成比が増加したと推察されます。

次に3モールそれぞれの冷蔵庫市場の動向について確認します。

楽天市場

楽天市場では市場全体は微減でした。上位メーカーを見ると、1位、2位のメーカーの順位に変動はなく、売上も好調に推移、市場シェア率を上昇させました。一方で、昨年度5位のメーカーが順位を2つ落とすなど、3位以降のメーカーには多く変動が起きています。ショップ別ではメーカー同様に1 位、2位のショップには変化は見られませんが、昨年度8位のショップが3位に急浮上し、市場シェアを3ポイント以上上昇させるなど、変化が起きております。売上と販売数は微減ですが、平均単価は高単価商品の構成比が上昇したことで、上昇しています。

Amazon

Amazonでは売上数量では前年超えですが、平均単価の減少により市場全体では微減となっています。このことからも、Amazonでは、平均単価が低い商品の構成比が上昇したことが伺えます。
上位メーカーを見ると、1位メーカーは変わらず推移しています。一方、昨年4位のメーカーが順位を2位に上昇させ、市場シェアを5ポイント以上上昇させるなど、2位以降ではシェア率と、順位に変化がみられます。上位ショップを見ると、TOP3ショップに変化は見られませんが、昨年10位外のショップが平均単価を2倍に上昇させた結果、一躍8位に売上を上昇させています。上位ショップの平均単価は減少傾向であるのも特徴です。

Yahoo!ショッピング

Yahoo!ショッピングでは、平均単価が上昇しております。これは、高単価商品の構成比が増加したことによる結果です。メーカー動向をみると、昨年度3位と、5位のメーカーがシェア率を3ポイント以上、上昇させ順位も2位と4位へと上昇させています。上記2社の平均単価は市場平均単価に比べ、約2倍以上と高く、この2社が市場の平均単価を上昇させています。ショップでは昨年度4位のショップが1位へ躍進、昨年度2位のショップが4位になるなど、変動が激しいです。

冷蔵庫市場競合動向

メーカー動向

3大ECモールにおける上位5メーカーの売上市場シェア率は、60%以上で推移するも、昨年上位5メーカーのシェア率と比べると、わずかながら減少傾向となりました。本年売上1位をA社、2位をB社、3位をC社、4位をD社、5位をE社とし、その動向を確認すると注目はB社です。B社は、売上前年比1.5倍と大幅な増加を記録しており、市場シェア率を5ポイント以上、上昇させました。B社の平均単価は市場平均単価の約2倍ほど高く、一方でA社、E社は市場平均より若干低い単価です。今後市場は2つのニーズに分かれる可能性が示唆されます。

ショップ動向

3大ECモールにおける上位5ショップの売上市場シェア率は、60%以上で推移するも、昨年上位5ショップのシェア率と比べると、わずかながら減少傾向となりました。本年売上1位をAショップ、2位をBショップ、3位をCショップ、4位をDショップ、5位をEショップとし、その動向を確認すると注目はDショップです。Dショップは上位ショップの中で、最も平均単価を上昇させています。市場全体として2極化していく中で、平均単価を上昇させたDショップの戦略には注目です。

冷蔵庫市場商品動向

2023年・2024年TOP50からみる冷蔵庫市場動向

3大ECモールの冷蔵庫市場における、2023年と2024年のTOP50商品の売上構成比を調査した結果、シェア率は昨年度に比べて減少していることが分かりました。これは上位50品に集中していた売上が、下位商品にも広がったことを示唆しています。

<2023年の特徴>
・基本的な機能の製品が多い
・400L~600Lタイプが主流

<2024年の特徴>
・スマート機能などの先進技術搭載タイプの増加
・更なる大容量化
・カラーバリエーションが増加
・平均単価を超える高単価商品の割合が増加(41品→44品)

<2023年・2024年共通の特徴>
・特定ブランドが上位を占める
・省エネ性能の重視
・フレンチドア(観音開き)と左右どちらからも開けられるタイプが支持

2024年4~6月冷蔵庫市場売れ筋TOP3

2024年6月の3大ECモールの冷蔵庫市場で、売上TOP3商品(2024年8月9日現在)は以下の通りです。(ショップSKU単位)

1位: B社製冷蔵庫(中価格帯、大容量、エコモード付き)
2位: A社製スマート冷蔵庫(高価格帯、スマート機能、スタイリッシュデザイン)
3位: C社製冷蔵庫(低価格帯、省エネ性能タイプ、小型)

冷蔵庫市場のまとめと今後の展望

今回の調査では、冷蔵庫市場は昨年に比べ、販売数量が微増する一方、市場平均価格よりも低い単価の商品の構成比率が増加することで、前年同期比で縮小していることが確認されました。
売上TOP50商品を確認すると、2024年の上位商品には、2023年の上位商品に比べ、エコモード機能やスマート機能を備えている商品が人気を博しています。これらを踏まえ、冷蔵庫市場の今後を予想していきます。

①エコ機能の更なる強化
多くの家庭で必須ともいえる冷蔵庫のため、今後も継続して「省エネ」は購買の際の基準の一つとなります。エコ機能を強化することで、環境意識の高い消費者の需要を取り込んでいく必要があります。

②スマート機能・機能の拡充
スマート機能を充実させることで、利便性を高め、付加価値を提供することで、他社との差別化を図ろうとすることが予想されます。今後はAIによる温度管理の強化が進み、部分的に保温状態で保温ができる、冷「温」蔵庫が登場、拡大する可能性

③価格戦略の見直し
価格戦略を見直し、幅広い価格帯の商品を提供することで、より多くの消費者層をターゲットにすることができます。また、価格の2極化が起きることが想定されるため、シンプルな機能と高付加価値の高単価商品など、メーカー・ショップは、自社のターゲットとする消費者に向けて、より細かく戦略を練る必要があります。

④デザインの多様化
今や冷蔵庫=白色ではなく、さまざまなカラーバリエーションが登場しております。企業はデザインの多様化を図り、消費者の好みに応じた製品を提供する必要があります。表面のパネルを着せ替えられるような、「着せ替え冷蔵庫」も登場するかもしれません。

今後の冷蔵庫市場は消費者のニーズに応じた多様な製品が展開されると予想されます。どのような商品が登場するか、またその商品がどのように市場へ影響を与えていくのか、今後の動向に注目です。

作成者: マーケティングセールスDiv アナリスト 山本 真大(Masahiro Yamamoto)
編集者: マーケティングセールスDiv エディター 村上 咲(Saki Murakami)

家電業界の3大ECモール市場動向をさらに詳しく知りたい方はこちら!

Nint ECommerceに関して

日本国内のEC市場の約7割を占める3大ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)の売上・販売数量をモール別、ジャンル別、ショップ別、商品別に分析できる画期的なツールです。Nint ECommerceを活用いただくことで、以下のイベント対策を効率的にサポートしています。

活用例

商品在庫(SKU単位)の拡充
 競合価格を見ながら自社の販売価格を設定
 競合のポイント倍率を見ながら自社のポイント倍率を設定
 商品名(商品情報)での差別化
 検索露出(RPPなど)の強化

Nint ECommerceを活用することで、ECビジネスチャンス創出に役立ちます。ご興味のある方は、ぜひ下記リンクよりNint ECommerceの詳細をご確認ください。

■調査概要・免責事項
・本調査は、Nint ECommerceを用い、国内の3大ECモールである楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの帽子ジャンルを対象として、EC市場の帽子市場を調査しました。

・レポートを利用することにより生じたいかなるトラブル、損失、損害等について、当社は一切の責任を負いません。

調査期間
・2024年4月~2024年6月
・2023年4月~2023年6月
(※本稿における Nint 推計データは 2024年7⽉時点のものを使⽤)

■調査機関(調査主体)
株式会社Nint

■調査対象
Nint推計データ(期間:2023年4月~2023年6月・2024年4月~2024年6月)
Nint推計データは、AIやクローリングなどの技術により⽇本国内の3⼤ECモールで販売される商品の売上⾦額・販売数量を⾼精度に推計したデータに、サイト内でのプロモーションデータ等を加えた、EC市場の総合的な分析を可能にするビッグデータです。

■転載・引用について
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【出典:「ECモールの冷蔵庫市場規模は、0.97倍で微減!2024年4~6月の楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングの市場を分析」(2024年8月26日公開)】
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